屋根工事業者とは?:どこよりも詳しい選び方を紹介

屋根工事には専門知識が欠かせません。そもそも「屋根工事業者」とは、屋根の修理やリフォーム、新設工事などを専門に行う業者のことです。大きく分けて次のような種類があります。

ハウスメーカー・大手リフォーム業者

ハウスメーカー系業者(住宅メーカー): 自社で住宅を建築する大手ハウスメーカーが、アフターサービスの一環で屋根修理やリフォームを請け負うケースです。メリットは大手企業ならではのブランド信頼性や充実した保証体制がある点です。また、一貫した施工基準で品質も安定しやすいでしょう。

しかしデメリットとして、費用が割高になりやすく、小規模な修理では対応してもらえない場合もあります。また実際の工事は下請けの専門業者が行うことが多く、自社職人が施工しないケースもあります。

工務店


工務店: 地域密着型の住宅建築会社で、新築からリフォームまで幅広く手掛ける工務店も屋根工事に対応することがあります。メリットは地元で長年家づくりをしてきた経験から、住宅全体のバランスを考えた提案や施工が期待できる点です。家を建てた工務店にそのまま修理を依頼できる安心感もあります​。

デメリットとしては、屋根専門ではないため高度な屋根工事の場合は下請けの専門業者に依頼することも多く、工務店自体の屋根施工技術が十分でない場合があります。また工務店の規模によって対応力に差があり、大規模改修には対応できない小規模店もあります。

屋根専門修理業者


屋根専門業者: 建築板金会社や瓦店など、屋根工事だけを専門に請け負う業者です。板金屋(建築板金業者)は金属屋根や雨樋工事のプロであり、瓦屋(瓦工事業者)は瓦屋根のプロフェッショナルです。日常的に新築やリフォーム現場で屋根施工を担っており、専門ならではの豊富な施工例と高度な技術力があります​。自社に職人を抱えて直接施工するため中間マージンが発生せず、費用も比較的安く抑えられる傾向です​。また専門知識が豊富なので、質問にも的確に答えてもらえる安心感があります。

一方デメリットは、大手に比べ規模が小さい会社が多く、会社によっては営業や事務対応がやや不慣れな場合もあります。また知名度が低いため、信頼できる業者を自分で探す必要があります。

リフォーム会社: 屋根に限らず住宅全般のリフォームを扱う会社です。メリットはワンストップ対応で、屋根以外のリフォームもまとめて相談・施工できる点です​。営業マンが在籍し丁寧な対応を売りにしている会社も多いでしょう。

ただしデメリットとして、屋根専門とは限らないため施工の質は下請け業者の技量に左右されます。実際に工事は専門の屋根業者へ再委託するケースが多く、その分コストが上乗せされることもあります。またリフォーム会社によって屋根工事の実績に差があるため、依頼内容に強い会社かどうか施工例を確認することが重要です​。
以上が主な屋根工事業者の種類です。それぞれにメリット・デメリットがありますので、自宅の状況やニーズに合わせてどのタイプに依頼するか検討すると良いでしょう。

検索してホームページから探す

屋根は住宅を雨風から守る重要な部分であり、工事の良し悪しが住まいの寿命に直結します。そのため、信頼できる業者を選ぶことが何より大切です。ここでは、屋根工事業者を選定する際にチェックすべきポイントを解説します。

まず重要なのは、業者が必要な許可や資格をきちんと取得しているかです。屋根工事の規模によっては「建設業許可」が必要になります。特に税込500万円以上の工事を請け負うには建設業許可が必須であり、500万円未満の軽微な工事のみ扱う場合を除いて許可なく営業はできません​。無許可業者は大規模工事を法律上請け負えないため、集合住宅など、一般的な戸建ての規模以上の修繕を検討する場合、許可を持っているか確認しましょう。

また、業者や担当者が関連する国家資格を保有しているかも信頼性の目安になります。例えば一級・二級の建築士資格は本来設計士のものですが、もし屋根業者が建築士資格を持っていれば、構造への深い理解がある証拠となり安心材料になります​。さらに大規模工事では一級・二級の建築施工管理技士資格が必要ですが、一般家庭の屋根工事では必須ではないものの、資格保持者が在籍していれば施工管理能力が高い会社といえるでしょう​。

そのほか民間資格では、瓦屋根工事技士瓦葺き技能士雨漏り診断士などがあります。特に瓦屋根工事の場合、これら瓦専門の資格を持っていれば屋根構造への知識や瓦施工の技術を有するプロである証明になります​。必須ではありませんが、瓦工事や雨漏り修理の依頼時にこのような資格保持者がいる会社だとより安心でしょう。

足場設置のコストに対する理解とその価値

資格以外にも、業者が所属する業界団体のチェックも有効です。例えば屋根や板金業者の場合、「全日本板金工業組合連合会(全板連)」や「全日本瓦工事業連盟(全瓦連)」など各種専門工事ごとの組合があります。こうした組合に加盟している会社は公式サイトで検索できるので、候補業者が加盟しているか確認するとよいでしう。加盟=優良業者とは限りませんが、一定の業界ルールを守っている目安になります。

業者の実績や評判も必ず確認しましょう。過去の施工例(写真や事例集)が豊富な業者は経験を積んでいる証拠です​。

公式サイトなどに施工事例を載せている業者であれば、自社で手掛けた屋根工事の内容や規模感が把握できます。同じ屋根工事でも経験豊富な業者の方が適切な提案と確実な施工を期待できるのは言うまでもありません​。

また会社の設立年数もチェックポイントです。創業して長い会社は地域で信頼を積み重ねて存続してきたと考えられ、倒産リスクも低い傾向があります。工事後のアフター対応や保証を考えると、できるだけ長く営業を続けていそうな業者の方が安心です。もちろん新しい会社でも優秀なところはありますが、判断材料の一つとして年数や累計件数を見ておきましょう。

ご近所さんと情報共有

口コミや評判もインターネットで検索してみてください。特に地元密着の業者なら、地域のクチコミサイトやSNSで評判が見つかることがあります。ただし極端に良すぎる口コミばかりの場合や、逆に悪評が集中している場合は注意が必要です。口コミはあくまで参考程度に、最終的には自分で面談した印象や客観的な事実を重視しましょう。

現地調査(下見)と見積もりの対応は、その業者の誠実さや技術力を推し量る重要な場面です。良心的な業者であれば、正式な見積もりを出す前に必ず屋根の現況を細部まで調査します​。

劣化した屋根の対策

例えば屋根に実際に上がって瓦の割れや金属板のサビ、下地の状況まで確認し、必要な工事範囲を的確に把握します。その上で、写真や図を用いながら問題点と解決策を具体的に説明してくれるでしょう。

一方で注意すべきは、ほとんど現場を見もせずに即座に見積もり金額だけ出してくる業者です​。

屋根の状態は上から見ただけでは分からないことも多く、十分な調査なく提示された見積額は信頼できません。また、口頭で「◯◯万円くらい」と言うだけで正式な見積書をなかなか出さない業者も避けた方が無難です。

見積書の内容も確認しましょう。明細が「一式」とざっくりした表記で内訳が不明瞭な場合は注意が必要です。「○○工事 一式◯◯万円」のように具体的な工事内容や数量が記載されていない見積もりは、後から追加料金を請求されたり、不要な工事が含まれていたりする恐れがあります​。

信頼できる業者であれば、見積もり依頼に対して無料で丁寧に現地調査を行い、写真資料付きで分かりやすい見積書を提示してくれるものです。

業者が地元に根付いて営業しているかも大事なポイントです。屋根工事は工事後のアフターフォローも含め長い付き合いになる可能性があります。会社の所在地が自宅から遠方すぎると、万一トラブルが起きた際にすぐ駆け付けてもらえない恐れがあります​。その点、同じ地域で営業する地元業者であれば何かあった時にも迅速に対応してもらいやすいでしょう​。

対応エリア(奈良県・三重県・和歌山県北部・大阪府東部・京都府南部・滋賀県南部・兵庫県南東部)

また地域密着型の業者は地元での評判を大切にするため、いい加減な工事をすると地域社会で信頼を失うリスクがあります。そのため誠実に対応してくれる傾向が強いとも言われます。「遠方だけど安いから…」と安易に選ぶより、できれば地元で実績のある業者に依頼する方が安心感が高いでしょう。

なお、業者選びの際に自治体や公的機関に相談する方法もあります。自治体によっては地元業者の紹介を行っている場合もありますので、心当たりがなければ市区町村の担当窓口に問い合わせてみるのも一つです​。

契約した業者が自社の職人で施工するか、それとも他社に丸投げするかも確認しておきましょう。自社施工とは、見積もりを出した会社自身が責任を持って職人を手配し施工まで行う形態です。一方、営業・契約だけ受けて工事自体は別の下請け会社に任せるケースも業界では珍しくありません。

外断熱

自社施工のメリットは、中間マージンが発生しないためコストが抑えられやすいことです​。また施工管理が直接行われるため、責任の所在が明確で品質管理もしやすくなります。一方、下請け依存の場合、見積もり金額に紹介手数料や管理費用が上乗せされていることがあります​。さらに実際工事する職人と契約者との距離が遠いため、意思疎通のずれが生じるリスクも考えられます。

もちろん、リフォーム会社など窓口の会社が責任を持って下請けを監督してくれるなら大きな問題は起きにくいですが、「契約だけ取ってあとは知らない」という悪質な例もゼロではありません。見積もり説明時などに「御社の職人さんが施工されるのですか?」と確認し、可能なら施工担当者も交えて打ち合わせさせてもらうと安心です。自社で職人を抱えている業者であれば、その場で具体的な工法の説明や過去の施工写真を交えて話してくれるでしょう​。

屋根工事後の保証内容も必ず確認すべきポイントです。信頼できる業者であれば、工事内容に応じた保証書を発行し、一定期間内の不具合に無償対応してくれるものです。たとえば、屋根の葺き替え工事なら10年保証を付ける会社が多い傾向にあります(年数は業者や工法によります)。保証には、施工そのものに対する「施工保証」と、使用した屋根材に対する「メーカー保証」があります。どちらも揃っているか、期間が十分かを確認しましょう。

保証内容の確認

加えて、保証期間だけでなくアフターサービス体制も重要です。定期点検の有無や緊急時の対応について尋ねてみてください。「工事後○年ごとの無料点検があります」「何かあれば迅速に駆け付けます」と明言してくれる業者だと安心感があります。実際、屋根工事は施工して終わりではなく、その後のメンテナンスが肝心です​。

長く暮らす中で不具合が出ることもあり得るため、工事完了後もきちんと対応してくれる業者を選ぶことが大切だといえます​。

保証書の内容も細かく目を通しましょう。雨漏りが再発した場合の無償修理条件や、台風・地震など自然災害時の対応(火災保険を使った修理サポート等)についても確認しておくと安心です。優良業者であれば、契約前にこれらアフターケアについてもしっかり説明してくれるはずです​。

保険を利用した屋根修理について

前述したように、建築士や施工管理技士、瓦技能士などの有資格者が在籍していることは業者選びのプラス材料です。特に施工管理技士がスタッフにいる業者は、工事全般の知識が豊富で難易度の高い施工にも適切に対処できる可能性が高まります​。

また社内に資格者がいなくとも、必要に応じて専門の有資格者(例えば足場組立の有資格者や電気工事士など)と連携できる体制かどうか尋ねてみるのも良いでしょう。

さらに、現場を取り仕切る施工管理体制も確認すべき点です。工事中の連絡窓口が誰になるのか、現場責任者は決まっているのかを聞いてください。特に大掛かりなリフォームになる場合は、現場代理人や監督が付くのが通常です。小規模修繕でも「◯◯が当日の責任者です」と事前に教えてくれる業者は信頼できます。

逆に誰が来るか不明確だったり、「職人に任せていますので…」と責任の所在が曖昧な場合は注意が必要です。

屋根の葺き替えや大規模修繕は高額になることもあり、リフォームローンを利用して支払いたいケースもあるでしょう。そうした場合、その業者がローン支払いに対応しているかも事前に確認しておきましょう。多くのリフォーム会社や大手業者は提携ローン会社があり分割払いに対応可能ですが、町の工務店や個人経営の業者だとローン取り扱いに不慣れな場合もあります。

住宅購入やリフォームに使える奈良県桜井市の補助金制度「結婚新生活支援補助金」

「ローン対応可」の業者であれば、金利ゼロキャンペーンや支払いシミュレーションを提示してくれることもあります。例えば○○リフォームローンの取り扱い店なら、その場で手続きを案内してくれるでしょう。ローン手続きには見積書や契約書が必要になるため、スムーズに協力してくれる業者だと助かります。一方、「現金一括のみ」とする業者しか選択肢にないと資金計画が立てにくい場合もありますので、資金面の事情がある場合は契約前に支払い方法も確認すると安心です。

以上のポイントを総合的にチェックしながら、候補業者を比較検討してください。次章では、屋根の種類ごとに適切な業者選びのポイントを解説します。

屋根材にはさまざまな種類があり、その材質や工法に応じて求められる技術や知識も異なります。屋根工事業者にも得意分野がありますので、ご自宅の屋根に適した業者を選ぶことが大切です。ここでは代表的な屋根の種類ごとに、どんな業者が適しているかを説明します。

屋根の種類によって工事方法や必要な技能は大きく異なります。一般的な住宅で用いられる瓦・金属・スレート屋根についても、それぞれ専門性がありますので、適した業者選びのポイントを見ていきましょう。

本瓦など瓦屋根の場合、できれば瓦工事専門の業者に依頼するのが安心です。瓦屋根は一枚一枚の瓦の重みや独特の工法があり、熟練した瓦職人でないと正しい施工が難しいためです。地域の瓦店や「○○瓦工業」といった社名の会社は瓦専門業者であることが多く、瓦屋根の葺き替えや補修に豊富な実績を持っています。

瓦専門業者に依頼するメリットは、部分的な差し替え修理から葺き直し・葺き替えまで的確な判断をしてもらえることです。「この瓦はまだ使える」「ここは漆喰を塗り直せば十分」など、過剰な工事にならないようにアドバイスしてくれるでしょう。一方、瓦に不慣れな業者だとすぐに全面葺き替えを提案されて費用が嵩む恐れもあります。

従来の瓦屋根

選ぶ際は、その業者が全日本瓦工事業連盟(全瓦連)など瓦業界の組合に加盟しているか確認すると安心です​

加盟業者は一定の技術講習を受けていたり、情報交換ネットワークがあるため、新しい工法や製品知識にも通じています。また、社内に先述の瓦屋根工事技士かわらぶき技能士などの資格者がいるとなお信頼できます​。

なお瓦屋根の修理費用は、破損箇所の場所や足場の要否によって幅があります。例えば棟瓦の積み直しや漆喰補修程度なら地元の瓦屋さんに数万円~で頼めることもありますが、屋根全体の葺き替えになると足場代も含め百万円単位になる場合があります。そのため複数の瓦業者に相見積もりを取り、工事内容と金額を比較検討するのがおすすめです。

ガルバリウム鋼板やトタン屋根などの金属屋根の場合は、建築板金を専門とする業者(いわゆる「板金屋さん」)に依頼すると良いでしょう。板金専門業者は日頃から金属製の屋根材や外装材を扱っており、加工や取付の技術が卓越しています​。

金属屋根は材料自体は軽くて丈夫ですが、正しい施工をしないと雨漏りやサビの原因になるため、専門技術が欠かせません。

板金屋さんに依頼するメリットは、臨機応変な対応力です​。

現場で板金を切ったり折り曲げたりして細かな部分まで綺麗に納める技術は板金職人の真骨頂です。屋根形状が複雑な場合や、既存屋根に金属屋根を被せるカバー工法(重ね葺き)なども得意としています。また雨樋(あまどい)や谷樋の交換、雪止め金具の取付など付帯工事も一緒にお願いしやすいです。

ガルバリウム屋根は、専門的な施工技術が必要です

選定時は、その業者が全日本板金工業組合連合会(全板連)などに加盟しているか確認するのも一つです​。また「建築板金技能士」という国家資格がありますので、取得している職人がいる会社だと技術力の裏付けになります​。

注意点として、古いトタン屋根をガルバリウム鋼板に葺き替える場合などは既存屋根材の撤去費廃材処分費が結構かかります。また金属屋根は施工の際に防水シート(ルーフィング)の張り替えが重要です。経験豊富な板金業者であれば、下地からしっかり点検・補修し、新しい防水シートを敷設してから屋根材を施工してくれます。見積もり時に「ルーフィングも張り替えますか?」など確認して、手抜きなく作業してくれる業者を選びましょう。

スレート屋根

スレート屋根(いわゆるコロニアルやカラーベスト)は現在戸建て住宅で広く使われている屋根材です。薄い板状の屋根材で軽量ですが、経年で塗膜が劣化しコケが生えたりヒビ割れが起きることがあります。スレート屋根のメンテナンスとしては塗装カバー工法または葺き替えの大きく二つの選択肢があります。

まず塗装メンテナンスを検討する場合は、屋根塗装を得意とする塗装業者やリフォーム会社が適任です。屋根塗装専門の業者なら、スレートの状態を見極めた上で最適な塗料や下塗り材を選定し、適切な厚みで塗装してくれます。ただし塗装技能士など塗装の資格を持つ職人がいるか、屋根塗装の実績が豊富かを確認しましょう​。

スレートが劣化して脆くなっている場合は塗装中に割れてしまうこともあるため、事前点検をしっかり行う業者を選ぶことが大切です。

カバー工法と葺き替え工法の比較

一方、スレート自体が寿命を迎えている場合や大きく破損している場合は、カバー工法(既存スレートの上に新たな屋根材を被せる)や葺き替え(既存材を撤去して新装)を検討します。

この場合は板金業者や屋根リフォーム専門業者の出番です。スレート屋根へのカバー工法では、軽量な金属屋根材で覆うケースが一般的で、板金専門業者が数多く手掛けています​。

葺き替えの場合も、防水シートから新設する必要があるため屋根専門業者が安心です。

スレート屋根工事の業者選びでは、現在の屋根の状態診断を的確にしてくれるかがポイントです。「本当に塗装で大丈夫か?」「下地の腐食はないか?」などを調べた上で最適解を提案してくれる業者が信頼できます。

カラーベスト屋根の塗装

複数の業者に見てもらい、「一社は塗装で十分と言ったが他社は葺き替えが必要と言った」という場合は、その理由を詳しく質問してみましょう。写真を見せて具体的に説明してくれる業者の方が信頼度は高いと言えます。

屋根からの雨漏りは放置できない緊急性の高いトラブルです。雨漏り修理を依頼する際は、まず雨漏りの原因を的確に特定できる業者を選ぶ必要があります。屋根が原因と思っていたら実は外壁から水が入っていた…というケースもあり、経験豊富なプロでないと原因究明が難しいことがあります。

防水工事後も定期的な点検が必要です

雨漏り修理を得意とする業者としては、屋根専門業者の中でも雨漏り診断士などの資格を持つ会社や、調査機器(散水試験や赤外線カメラなど)を備えた業者が挙げられます。初期調査に十分時間をかけ、天井裏や屋根裏まで確認してくれる業者を選びましょう。「とりあえずコーキングで塞いでおきます」といった応急処置だけで済ませようとする所は避けた方が無難です。

具体的な選定ポイントとして、点検時に写真や動画を撮って見せてくれるかが挙げられます。信頼できる業者であれば、屋根に上がった際に発見した不具合箇所を撮影し「ここから水が入った形跡があります」など、原因と解決法を具体的に説明してくれるでしょう​。逆に口頭で「あそこが原因ですね」と言うだけで証拠写真を示さなかったり、「すぐ直さないと大変なことになる」と不安をあおるような業者は注意が必要です​。

雨漏り補修工事

また、雨漏り修理の場合も複数業者の意見を聞くことが大切です。ある業者は「屋根全面の葺き替えが必要」と言ったけれど、他の業者は「谷樋の部分補修で直る」と診断するケースもあります。技術力の高い業者ほど無駄な工事をせずピンポイントで修理してくれる傾向です。一社だけの判断で高額工事に飛びつかず、ぜひ相見積もり・相見診断を取りましょう。

雨漏り修理では、再発時の保証も確認してください。修理箇所から再度漏れた場合に無償で再修理してくれるのか、一定期間の保証はあるのかを事前に聞いておくと安心です。

屋根工事では相見積もり(複数業者から見積もりを取ること)が非常に重要です。複数社の提案と金額を比較検討することで、適正価格や適切な工事内容が見えてきます。ただし見積もり比較にはいくつか注意点もあります。ここでは相見積もりの取り方と比較時のポイントを解説します。

規模な屋根工事では写真のように足場を組む必要があるため、見積もり項目に足場代が含まれているか確認しましょう。業者によっては見積もりに足場代を入れ忘れ、後から追加請求されるケースもあります。相見積もりでは各社がどこまで費用に含めているかを統一して比較することが大切です。

相見積もりの手順としては、まず2~3社程度に現地調査・見積もりを依頼します。各社から提示された見積書の工事内容と金額、保証条件をじっくり比較しましょう。ただ単に金額の安さだけで選ぶのは危険です。極端に安い見積もりは手抜き工事の可能性や、後から追加費用が発生するリスクがあります。一方で他社に比べて著しく高額な見積もりは、不要な工事が含まれていたり中間マージンで割高になっている可能性があります。

複数社に相見積もりをする

各見積書の内訳項目にも注目してください。例えば一社だけ「○○工事 一式100万円」と大雑把な書き方で、他社は細かく材料費・施工費を明記している場合、前者の業者には詳細を確認する必要があります​。

「一式」の内訳に何が含まれるのか、不明瞭な点は遠慮なく質問しましょう。それに対し明確な回答ができない業者であれば、契約は見送った方が賢明です。

また、各社ごとに提案内容が異なることもあります。例えばA社は「屋根塗装」を提案、B社は「カバー工法」を提案してきた場合、それぞれのメリット・デメリットを説明してもらい、自分のニーズに合うか判断します。一概に安い方が良いとは言えず、提案の妥当性を比較することが重要です。提案の背景にある屋根診断結果や根拠をきちんと示してくれる業者であれば信用できます。

見積りの内容が詳細かどうか確認する

最後に、見積もり比較の過程で気になる点や不安な点が出てきたら、再度業者に質問して解消しましょう。優良業者であれば、こちらの疑問に丁寧に答えてくれますし、契約を急かすようなこともありません。「他社と検討中」と伝えてもしっかり向き合ってくれる姿勢も、業者選びの参考になるでしょう。

訪問販売型の詐欺手口

残念ながら、屋根工事業界には悪質な業者も存在します。「訪問販売で突然訪れ不安をあおって高額契約させる」「粗悪な工事でトラブルを放置する」などの被害例が報告されています​。大切な住まいを守るために、悪徳業者の手口を知り騙されないようにしましょう。

典型的な悪徳業者の手口として、突然の訪問販売があります。例えば「近所で工事をしている者ですが、お宅の屋根瓦がずれているのが見えました」などと言って訪問し、「このままだと瓦が飛んで大変なことになる」と不安を煽ってその場で契約を迫るケースです​。国民生活センターの報告によれば、こうした屋根の点検商法に関する相談件数は年々増加し、2022年度は5年前の約3倍に達しています​。特に高齢者の方が被害に遭うケースが多いため注意が必要です。

国民生活センター PIO-NET 1にみる屋根工事の点検商法に関する年度別相談件数

以下に悪徳業者のよくある特徴をまとめます。当てはまる業者には十分警戒してください​。

  • 原因や工事内容を具体的に説明しない。「とにかく危険」「すぐ工事しないとダメ」と言うばかりで、どこがどう悪いのか具体的に示さない。
  • 点検時の写真を見せてくれない。 屋根点検したと言いながら、実際の写真や証拠を提示しない。
  • 自社のホームページや口コミが存在しない。 名刺や会社案内がなく連絡先も携帯番号のみで、会社の実態が不明瞭。
  • 正式な見積書を出さない、または手書きの簡易な見積書しか出さない。 金額の根拠が不透明で「一式◯◯円」としか書かれていない。​
  • 契約をやたらと急かす。 「今日中なら安くする」「今すぐ工事しないと手遅れになる」などと契約を急いで結ばせようとする。​

こうした特徴に少しでも当てはまる場合は、その場で契約せずいったん保留にする勇気が必要です​。

点検商法で屋根工事のトラブルにあう高齢者

たとえ「今すぐ工事しないと雨漏りで大変なことになる」と脅かされても、一度冷静になりましょう。名刺だけもらい「検討します」と伝えて追い返すことが大切です​。

契約してしまった後でも、「おかしい」と思ったら消費者ホットラインや国民生活センターに相談してください。契約から一定期間内であればクーリングオフが可能な場合もあります。特に訪問販売は契約書面交付日から8日以内なら無条件で契約解除できる制度がありますので、諦めず専門機関に相談しましょう。

また、契約前であれば相見積もりを取るなどして他の業者の意見を聞くことも重要です。一社だけの話をうのみにせず、家族や知人にも相談し、冷静に判断してください​。

信頼できる業者であれば、こちらが慎重に検討する姿勢に理解を示してくれるはずです。逆に「他に聞く必要ないですよ」と言ってくるようなら要注意です。

要は、不安を煽られ焦って契約してしまうことこそが悪徳業者の狙いです。少しでも怪しいと感じたら時間をおいて冷静に考えること、そして自分が本当に信頼できると思える業者に依頼することが何より大切です​。

屋根材の選定ポイント

屋根工事は施工して終わりではなく、その後のアフターケアが住まいの安心に直結します。ここでは施工後に確認しておきたいポイントと、長期的に安心できる業者の条件について説明します。

まず、定期点検の重要性を認識しましょう。屋根は風雨や紫外線に常にさらされ劣化しやすいため、本来5年に一度程度は専門家による点検を受けるのが望ましいとされています​。

難しければ10年おきでも構いませんが、定期的な点検をすることで小さな不具合を早期に発見し、大規模修繕を未然に防ぐことができます​。

施工してくれた業者に定期点検サービスがある場合は積極的に利用しましょう。無料点検の案内がある業者も多いですし、有料でも点検契約を結べる場合があります。優良業者であれば「◯年ごとに無料点検に伺います」などと言ってくれるでしょう​。

その際、塗装の劣化具合やシーリングの状態などもチェックしてもらえば安心です。

アフターメンテナンス契約の有無も確認ポイントです。大規模な屋根リフォームをした場合、工事後◯年間は定期点検と簡易補修がセットになったメンテナンス契約を用意している会社もあります。費用はかかりますが、長期保証と組み合わせて加入しておくと、万一の不具合時も優先的に対応してもらえるメリットがあります。

工事後に何か異常を感じたら早めに施工業者に連絡しましょう。例えば雨音が以前と違う、天井にシミができているなど、小さな変化でも伝えることが大切です。信頼できる業者であればすぐに点検に来てくれ、必要に応じて補修してくれるはずです​。逆に連絡してもなかなか対応してくれない場合は、その業者への依頼自体を見直す必要があるかもしれません。

メーカー保証も忘れずに。屋根材メーカーが発行する保証書(塗膜○年保証など)は施主にも渡されますので大切に保管してください。施工業者から保証書を受け取れなかった場合は催促しましょう。保証期間内に不具合が起きた場合、施工業者を通じてメーカー保証の適用を受けられることがあります。

最後に、長期的に安心できる業者とは「工事後も真摯に付き合ってくれる業者」に他なりません。契約前に感じた対応の良し悪し、説明の丁寧さは、工事後の対応にも表れます。施工後のこちらからの問い合わせにもしっかり応じてくれるかどうか、そうした点も含めて業者を評価しましょう。

奈良県橿原市 結婚新生活支援補助金

長文となりましたが、最後に屋根工事業者選びの重要ポイントを振り返りましょう。以下のチェックリストに沿って検討すれば、失敗のリスクを大きく減らせるはずです。

《屋根工事業者選びチェックリスト》

  • 資格・許可の確認: 建設業許可の有無をチェック。【許可が必要な規模の工事】かどうか確認し、無許可業者は避ける。一級建築士や施工管理技士、瓦工事技術者など資格保持者がいればプラス。
  • 実績・信頼性の確認: 施工事例や創業年数、地元での評判を調べる。長年営業している業者や施工例が豊富な業者は信頼度が高い。【口コミ】も参考にしつつ、自身で感じた印象も重視する。
  • 見積もり・説明の丁寧さ: 現地調査をしっかり行い、写真資料を用いて原因と対策を具体的に説明してくれるか。見積書の内訳が明確か。不明点に質問した際、誠実に答えてくれるか。
  • 複数社比較と適正判断: すぐ一社に決めず相見積もりを取り、価格だけでなく提案内容・保証内容も比較する。他社批判ばかりする業者より、自社のメリットをきちんと説明できる業者を選ぶ。
  • 悪質業者への警戒: 突然の訪問販売には原則として契約しない。不安を煽る、高圧的、契約急かし、見積不明瞭など【典型的な悪徳業者の特徴】に当てはまる場合は毅然と断る​。
  • 保証・アフター体制の確認: 工事内容に応じた保証書を発行してもらい、保証期間と範囲を把握する。定期点検やアフターサービスについて事前に説明があるか​。施工後もすぐ連絡が取れる体制かどうか。
  • 自分との相性: 最後は担当者や会社との信頼関係です。質問しやすい雰囲気か、こちらの話をきちんと聞いてくれるか、といった人柄や相性も判断材料にしましょう。

以上のポイントを総合的にチェックすれば、屋根工事業者選びで大きく失敗することは避けられるでしょう。

屋根は住まいを守る大切な部分です。ぜひ時間をかけて信頼できるプロを見極め、安心して工事を任せてください。適切な業者に依頼すれば、工事後も長期にわたり安心して暮らせることでしょう。大切な住まいの屋根を託すパートナー選びに、本記事の情報がお役に立てば幸いです。​

日置 卓弥

屋根修理の匠ひおきの代表です。哲学で学んだ独特な視点を屋根修理の仕事に活かし、お客様の期待を超えるサービスを実現するために日々努力しています。

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