はじめに
近畿・東海エリアでは、雪が積もることは少ないものの、山間部では積雪が多く、屋根の耐久性や雪対策が重要なエリアもあります。
当社の施工対応エリアの中でも、以下のエリアでは一部豪雪地域もあります。
- 奈良県
吉野町、大淀町、下市町、黒滝村、天川村、野迫川村、十津川村、下北山村、上北山村、川上村、東吉野村 など - 三重県
いなべ市、東員町、菰野町、伊賀市 など - 滋賀県
大津市、長浜市、高島市、 米原市 など - 京都府
福知山市、舞鶴市、綾部市、宮津市、京丹後市、南丹市、伊根町、与謝野町 など - 兵庫県
豊岡市、養父市、丹波市、朝来市、穴栗市、新温泉町、香美町 など
全国的にも雪が多い地域ではガルバリウム鋼板屋根(金属屋根)が多く使用されており、近年のガルバリウム鋼板人気もあり、当社でも施工させていただいている近畿・東海エリアでもおすすめをしております。
本記事では、ガルバリウム鋼板屋根(金属屋根)が雪の多い地域で選ばれている理由を詳しく説明します。
雪が積もりにくい屋根材の特徴
屋根材が雪を積もらせにくいかどうかは、積雪による屋根の負担を軽減するための大事なポイントとなります。雪が屋根に積もると、その重みや雪解け水による問題が発生し、屋根の劣化を早める原因となるため、雪が積もりにくい(滑りやすい)屋根材が選ばれています。
表面が滑らかな屋根材
雪が積もる原因の一つとして、屋根材の表面が粗い場合、雪が滑り落ちるのが難しくなることがあります。雪が溜まりやすい粗い表面では、雪が重くなることで屋根に過度な負荷をかけ、屋根材の変形や破損を引き起こすリスクが高まります。これに対して、ガルバリウム鋼板屋根(金属屋根)やセラミック屋根(陶器瓦)、特にコーティングされた屋根材は滑らかな表面を持ち、雪が自然に滑り落ちやすくなり、雪が積もる時間を短縮し、屋根への負担を軽減します。
金属屋根に使用されるガルバリウム鋼板やアルミニウムなどの素材は非常に滑らかで、表面に積もった雪がすぐに滑り落ちます。これによって、積雪による屋根の圧力を大幅に減らし、長期間の耐久性を保つことができます。
屋根の傾斜角度との相性
屋根材の選定において、屋根の傾斜角度(勾配)は非常に重要です。急勾配の屋根では、積もった雪が自然に滑り落ちやすく、積雪の負担が屋根にかかる時間が短くなり、雪による屋根の変形や破損のリスクが軽減されます。急勾配の屋根は、雪が滑り落ちる角度を持っており、積雪を均等に分散させることができるため、雪の重量による圧力を最小限に抑えます。
一方で、緩やかな屋根は積雪を保持しやすく、雪が溜まりやすくなるため、屋根にかかる負担が大きくなります。これを防ぐためには、定期的に雪を除去する必要があり、除雪作業を簡単にするための屋根材が求められます。また、屋根材が滑りやすい素材であれば、緩やかな傾斜でも積雪のリスクを軽減することができます。
軽量な屋根材
雪が積もった際に屋根材が耐えられるかどうかは、屋根材の重量と雪の重さのバランスが重要です。軽量な屋根材は雪の重みによる負担を減らすため、屋根が崩壊するリスクを軽減します。
ガルバリウム鋼板屋根(金属屋根)は非常に軽く、重量が少ないにもかかわらず非常に高い強度を持ち、積雪による荷重を十分に支えることができます。特に屋根の構造に負担をかけず、雪が積もっても屋根全体の安全性を保つことが可能です。
逆に、重い屋根材、例えば瓦屋根は雪が積もるとその重さが屋根に大きな圧力をかけ、屋根の構造にダメージを与える可能性が高くなります。
表面が滑らかな屋根材として、上記に挙げたセラミック屋根(陶器瓦)は吸水性が低く、海側のエリアで心配される塩害に強いため、日本海沿岸の積雪の多い地域では多く使用されていますが、重量の問題があるため、耐震性に不安があります。
耐久性の高い屋根材
雪解け水や湿気が屋根に滞留することにより、屋根材の劣化が進みます。雪解け時に水分が屋根に浸透することを防ぐためには、屋根材が高い耐久性を持っていることが重要です。特に寒冷地では、屋根材が凍結や雪解け水による侵食に耐える必要があります。
耐久性の高い屋根材としては、やはりガルバリウム鋼板屋根(金属屋根)がおすすめです。ガルバリウム鋼板屋根(金属屋根)は、温度差や湿気に強く、雪が溶けて水分が屋根に滞留した場合でも劣化を防ぎ、長期間にわたって安定した性能を発揮します。
雪の多い地域でガルバリウム鋼板屋根(金属屋根)が多く使用される理由
雪の滑り落ちやすさ
上記でもお伝えしたように、ガルバリウム鋼板屋根(金属屋根)はその滑らかな表面が特徴で、雪が積もっても滑りやすく、短期間で屋根から滑り落ちます。近畿・東海エリアのように積雪が比較的少ない地域でも、寒冷地で急に雪が降ることがあります。この場合、金属屋根の特性が活きてきます。雪が急激に積もった場合でも、金属屋根では雪が滑り落ちやすいため、屋根の上に長時間残ることなく、屋根の負担を減らすことができます。
但し、降雪時に屋根から雪が急に滑り落ちてしまうことは避けなければならない問題です。金属屋根に雪止め金具を設置することで、雪が一気に滑り落ちるのを防ぎ、屋根や周囲の安全を確保することができます。雪止めがしっかり設置されていれば、積雪後に雪が一度に落ちて屋根に大きな圧力をかけることがなく、雪の重みによる屋根のダメージを防ぐことができます。
軽量で耐久性が高い
ガルバリウム鋼板屋根(金属屋根)は、非常に軽量でありながら耐久性が高いという特徴を持っています。近畿・東海エリアでは、雪が長時間積もることは少ないものの、時折降雪が多くなることがあるため、雪の重みに耐えられる屋根材が求められます。ガルバリウム鋼板屋根(金属屋根)は軽量であり、積雪による屋根への圧力を分散する能力が高いため、屋根の構造に大きな負担をかけません。
また、金属屋根は、雪が解けた後に水分が浸透して屋根材が劣化することを防ぐため、耐久性にも優れています。特に、雪解け水が屋根の隙間から浸入することで、雨漏り(すが漏り)や屋根の腐食を引き起こすリスクが高くなりますが、金属屋根はその防水性が高いため、これらの問題を避けることができます。
雪解け水での雨漏りに関してはこちらのコラム記事も参考にしてみてください。
屋根の形状や構造に適応
ガルバリウム鋼板屋根(金属屋根)は屋根の形状に柔軟に適応することができます。近畿・東海エリアの住宅では、屋根が急勾配でない場合も多いため、雪が溜まりやすいことがあります。ガルバリウム鋼板屋根(金属屋根)の滑りやすさを活かすことで、平屋根や緩やかな傾斜の屋根でも、積雪が少なく保たれ、屋根の変形や破損を防ぐことができます。
特に平屋根の場合、金属屋根を採用することで、雪が積もった際に屋根に過度な負担がかからないようにすることができます。金属屋根は耐久性と軽量さを兼ね備えており、屋根全体の安全性を高めるため、積雪や雪解け水によるトラブルを最小限に抑えることができます。
長期的なコストパフォーマンス
ガルバリウム鋼板屋根(金属屋根)は初期コストが他の屋根材に比べてやや高めに設定されることが多いですが、その耐久性とメンテナンスの少なさから、長期的に見ると非常にコストパフォーマンスに優れた選択肢となります。
特に雪が積もる可能性がある地域では、ガルバリウム鋼板屋根(金属屋根)の耐雪性と耐久性の高さが、結果的にコスト削減に繋がります。
優れたリサイクル性能
ガルバリウム鋼板屋根(金属屋根)はリサイクル可能であり、環境に優しい屋根材としても注目されています。特に近年、環境問題への意識が高まっており、リサイクル可能な金属屋根が選ばれる理由の一つです。
また、金属屋根に断熱材を組み合わせることで、屋根裏の温度を一定に保つことができ、冬季には暖房効率を高める効果も期待できます。これにより、エネルギー消費を削減し、環境負荷を減らすことができます。敷いては、電気代を削減することにもつながります。
また、ガルバリウム鋼板屋根(金属屋根)は耐久性が高く、長期間使用することができるため、屋根材の交換頻度が少なく、廃棄物の削減にも繋がります。持続可能な屋根材として、近畿・東海エリアでもますます需要が高まっています。
まとめ
ガルバリウム鋼板屋根(金属屋根)は、雪が積もりやすい地域だけでなく、雪が少ない近畿・東海エリアでも多く使用されています。
これまでお伝えしたように、ガルバリウム鋼板屋根(金属屋根)は雪が滑りやすく、軽量でありながら耐久性が高く、環境にも優しいという特性から人気が高まっています。
ガルバリウム鋼板屋根(金属屋根)が積雪や雪解け水の影響を最小限に抑えてくれる理想的な屋根材です。屋根材選びは、屋根の寿命はもちろんのこと、住宅全体の寿命を延ばすために非常に重要なポイントです。積雪など屋根への負担を減らし、建物全体の安全性を確保するためにも、当社でもガルバリウム鋼板屋根(金属屋根)をおすすめしています。
ただし、ガルバリウム鋼板屋根(金属屋根)は他の屋根材と異なり、現場それぞれに合わせた板金加工が必要となる施工の難しい屋根材です。技術や知識のない業者が施工した場合、早い段階で雨漏りや不具合が発生することが多く、施工会社を決める際には、実績のある会社かどうか、施工後の保証はあるのかなど、十分に気を付けてご検討ください。
当社は金属屋根専門の板金職人が施工する会社です。
ガルバリウム鋼板屋根(金属屋根)についてのご相談は「屋根修理の匠ひおき」までお気軽にご相談ください。
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