屋根修理の費用はどのくらい?相場と工事規模による違い

屋根修理の費用相場や工事内容の違いをわかりやすく解説するとともに、屋根材ごとのメンテナンス時期など、お住まいを長期的に守るためのポイントをまとめました。

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屋根材の種類やグレード

瓦・スレート・金属など、素材ごとに耐久性や工法が異なります。
施工方法や使用材の品質によっても費用が変わります。


建物の大きさ・構造

平屋か2階建てか、屋根の形状がシンプルか複雑かなど、建物の条件次第で工事規模・手間が増減します。


足場の設置費用

高所作業のための安全対策として、多くの場合「足場の設置」が義務付けられています。足場代は15万~20万円程度が一般的な相場です。

屋根全体の改修となると、下地や防水シートの取り替えも視野に入るため、費用が大きくなる傾向があります。定期的にメンテナンスを行って大掛かりな工事を避けることが、結果的に費用を抑えるカギです。

次世代ガルバリウム鋼版(SGL鋼板)
修理工事費用相場
屋根の塗装35万円~60万円
屋根の葺き替え140万円~200万円
屋根の葺き直し100万円~180万円
屋根のカバー工法(重ね葺き)80万円~150万円
雨漏りの修理20万円~35万円
屋根棟の修理20万円~35万円
屋根材の部分修理・一部交換5万円~30万円
雨樋・軒天の修理・交換10万円~30万円

各工事の費用目安

金属屋根の錆び取りと再塗装

工事概要
まず、高圧洗浄で屋根表面の汚れや古い塗膜をしっかり除去し、下地に傷みがある場合は補修を行います。そのうえで専用塗料を用いて再塗装を施すのが基本的な流れです。工期はおよそ10~15日が目安となります。

定期塗装の重要性
スレート屋根やセメント瓦などは、約10年ごとに塗装メンテナンスを行うことが一般的です。塗料の種類によって耐久年数は異なりますが、高耐久塗料を使用すると長期的なメンテナンスコストを抑えやすいというメリットがあります。

ワンポイントアドバイス
塗装工事では、下地調整の仕上がりや使用する塗料のグレードによって費用や仕上がりに大きな差が生まれます。適切な下処理がなければ耐久性が落ちるため、信頼できる業者に依頼し、しっかりとした施工をしてもらうことが大切です。

屋根リフォーム

工事概要
既存の屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材に交換します。野地板(下地)や防水シートに劣化が見られる場合は、そのタイミングであわせて取り替えるため、工期は長くなります。

こんな方におすすめ

  • 屋根材自体の寿命が来ている、または深刻な劣化・損傷が広範囲に及んでいる
  • 大規模リフォームとして、屋根材やデザインを一新したい。

メリット・デメリット

デメリット:部分的な補修に比べると費用が高めで、工期もやや長めになりやすい点が挙げられます。

メリット:屋根全体が新しくなるため、雨漏りのリスクや老朽化の不安を大幅に減らせます。

工事概要
既存の瓦を再利用しながら、下地や防水シートだけを交換・補修する工事です。

こんな方におすすめ

  • もともとの和瓦や洋瓦をそのまま活かしたい方
  • 瓦そのものには問題がなく、下地だけが傷んでいる場合

注意点
瓦に大きな割れや破損がある場合は、新しい瓦へ交換する必要があるため、結果的に「葺き替え」が必要になるケースもあります。どちらの工事が適切かは、現地調査による瓦や下地の状態確認が重要です。

工事概要
既存の屋根を撤去せず、その上から新しい屋根材を重ねる方法です。主にスレート屋根や金属屋根に適用でき、工期は7~15日が目安となります。

こんな方におすすめ

  • 既存屋根の下地に大きな損傷がない場合
  • アスベスト含有の屋根材を撤去せず、リフォーム費用をできるだけ抑えたい場合

注意点

下地や構造に問題が確認された場合はカバー工法では対応できず、葺き替えが必要になる可能性があります。

瓦屋根には不向きで、屋根が二重になるため重量が増さない屋根材を選ぶ必要があります。

ガルバリウム鋼板の住宅
金属屋根

工事概要
屋根材の欠損や棟のズレ、防水シートの破損などをピンポイントで補修し、雨漏りの原因を取り除く工事です。下地や内装が大きく傷んでいるほど修理範囲が広がり、結果的に費用も増加します。

費用幅が大きい理由
天井裏や野地板など、普段目に見えない部分がどの程度劣化しているかによって、必要な補修規模が大きく変わるためです。

雨漏り段階別の費用目安

大規模(複数箇所や下地が腐食): 60万~250万円

小規模(天井にシミがある程度): 20万~35万円

中規模(天井から滴下する状態): 25万~55万円

雨漏りについてはこちらのコラム記事も参考にしてみてください。

工事概要
屋根の頂点や谷部分(棟)で発生する不具合や漆喰の剥がれを補修し、必要に応じて棟を交換する工事です。

費用の変動する要因

  • 修理する棟の長さや範囲によって変動します。
  • 瓦かスレート屋根・金属屋根かによって手間や材料費が異なります。

ポイント
和瓦は漆喰の塗り直しなど手作業が多くなるため、スレートや金属屋根に比べてやや割高になる傾向があります。

棟板金

工事概要
割れた瓦や破損したスレート・金属屋根などを部分的に交換する工事です。屋根全体が大きく劣化していない場合におすすめで、小さな破損箇所のみをピンポイントで修理できます。

こんな方におすすめ

  • 屋根全体には深刻な損傷がなく、一部の破損だけを直したい
  • できるだけ工事費用を抑えて修理したい

費用イメージ

足場が不要になるケースは稀にありますが、数万円台で済む可能性も。ただし高所安全基準を満たさないままの作業は非常に危険なので、必ずプロに判断を委ねることが大切です。

割れた瓦が10枚以内程度の場合:10万円~30万円

瓦のズレや割れの補修

工事概要
雨樋の詰まりや破損、軒天(屋根の裏側部分)の腐食を修理・交換する工事です。

費用イメージ

  • 雨樋の一部交換:15万円~20万円
  • 雨樋の塗装:20万円~30万円
  • 雨樋全体交換:20万円~70万円
  • 軒天修理(小規模):10万円~15万円
  • 軒天修理(大きめ範囲):15万円~30万円

ワンポイント
地上から手の届く箇所だけであれば足場を組む必要がなく、3,000~6,000円/m程度で修理を済ませられる場合もあります。ただし、補修範囲が広い場合は足場を設置することが多く、総額10万円以上になるケースが一般的です。

屋根修理の費用を試算する際に、しばしば見落とされがちなのが足場代です。屋根の高さが2mを超える場合、厚生労働省の規定により安全な足場設置が義務付けられています。

足場代の目安:15万~20万円


足場を設置する理由

作業員の安全確保
工事品質の向上(安定した足場上で施工したほうが丁寧に仕上げられる)
施工不良や事故を防ぐ意味でも、足場設置は必要とお考えください。
結果的に無用なトラブルを回避し、より安心できる屋根工事につながります。

屋根修理に必要な足場

屋根材別の修理タイミング

屋根材にはさまざまな種類があり、それぞれ劣化症状やメンテナンス時期が異なります。放置すると修理範囲が拡大し、大がかりな工事が必要になることも。定期的な点検と早期対応が、屋根を守る大きなポイントです。

瓦屋根

  • 点検時期
    年1回以上の定期点検がおすすめ。特に台風や地震の後は必ずチェックしましょう。
  • メンテナンス時期
    10~15年ごとに漆喰の補修や瓦の割れ・ズレの有無を確認するのが一般的です。
  • 耐用年数
    • 粘土瓦:50年以上
    • セメント瓦:30~40年
  • 注意点
    瓦そのものは長持ちする一方、漆喰や下地が先に傷んでしまうことが多いので、こまめな点検が欠かせません。特にセメント瓦の場合は塗膜の保護が重要で、塗装メンテナンスを怠ると耐久性が低下します。

化粧スレート屋根

  • 点検時期
    年1回以上。台風や地震後は特に要注意です。
  • メンテナンス時期
    10~15年ごとに塗装メンテナンスを行うのが目安です。
  • 耐用年数
    20~30年
  • ポイント
    スレートは比較的安価で施工実績も多い屋根材ですが、塗膜が剥がれると防水性能が一気に低下します。定期的な再塗装をしないと、結果的に早期の葺き替えが必要になるので注意しましょう。

ガルバリウム鋼板屋根

  • 点検時期
    年1回以上を目安に行いましょう。
  • メンテナンス時期
    10~15年ごとに塗装やコーキングの状態を点検・補修するのが理想的です。
  • 耐用年数
    30~40年(適切なメンテナンスを行った場合)
  • メリット
    軽量で耐震性に優れ、サビにも強いのが特徴です。ただし放置すると、板金部のサビやコーキングの劣化が広がる恐れがあるため、早めの補修が肝心になります。

まとめ|定期点検と早期修理が費用削減のカギ

屋根材ごとに異なるメンテナンス時期や劣化症状を把握し、定期的な点検早期の修理を心がけることで、不要な出費を最小限に抑えながら屋根を長持ちさせることができます。

日置 卓弥

屋根修理の匠ひおきの代表です。哲学で学んだ独特な視点を屋根修理の仕事に活かし、お客様の期待を超えるサービスを実現するために日々努力しています。

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