年末の大掃除で雨漏り予防!屋根の劣化サインと雨どいの落ち葉対策

朝夕の冷え込みが厳しくなり、いよいよ冬本番となりました。
庭木が鮮やかに色づく紅葉の季節は美しいものですが、戸建て住宅にお住まいの方にとっては、少し頭の痛い「落ち葉掃除」の季節でもありますね。庭や道路の掃除はこまめにされていても、ふと見上げた「屋根の上の落ち葉」や「雨どいの詰まり」まで気にされている方は、実はそれほど多くありません。
しかし、屋根修理職人として多くの現場を見てきた私から申し上げますと、この「たかが落ち葉」が、大切なお住まいに深刻な雨漏り被害をもたらす最大の引き金になることが非常によくあるのです。

落ち葉掃除

今回は、専門的な知識がない方でもご自宅の屋根の状態をセルフチェックできるよう、「屋根の劣化サイン」の見極め方と、本格的な冬が来る前に済ませておきたい「雨どい清掃の重要性」について、分かりやすく解説いたします。

【この記事でわかること】

落ち葉による「雨どい詰まり」が雨漏りに直結する意外な理由
●専門知識がなくても分かる!見た目でわかる屋根の劣化サイン
●なぜ「冬」に屋根と雨どいのメンテナンスが必要なのか

お庭やベランダに落ち葉が溜まっているということは、当然、それよりも高い位置にある「屋根」や「雨どい」にも、同じかそれ以上の落ち葉が溜まっている可能性が高いと言えます。
まずは、身近な風景から、屋根が出しているSOSに気づいてあげることが大切です。

雨どい清掃の重要性

そもそも「雨どい(あまどい)」という部材が何のためにあるかご存知でしょうか? 単に屋根の水を下に流すだけではありません。雨どいの最大の役割は、「屋根に降った雨水を、建物の外壁や土台に触れさせずに排水溝へ誘導し、家への浸水を防ぐこと」にあります。いわば、家を守るための「排水バイパス」です。

ここに落ち葉が詰まると、どうなるでしょうか。 排水の出口を失った雨水は、雨どいからあふれ出します。あふれた水は、本来水がかかることを想定していない「軒裏(のきうら・屋根の裏側の板)」や「外壁」にジャバジャバとかかってしまいます。

雨どいからあふれ出した雨水(オーバーフロー)
落ち葉の詰まりが雨漏りの原因に

軒裏や外壁の隙間から建物内部に水が侵入し、気づかないうちに柱や断熱材を腐らせてしまう・・・これが、「雨漏り」の典型的な発生メカニズムの一つです。 「たかが落ち葉の詰まり」と放置していると、外壁に黒い筋状の汚れがついたり、常に湿った状態になることでコケが生えたりと、家の見た目を損なうだけでなく、建物の寿命を縮める腐食へとつながってしまうのです。

特に、奈良県滋賀県京都府和歌山県三重県の山間部にお住まいの方には特に、本格的な冬が来る前に雨どいの掃除をしておくことをおすすめします。
雨どいに落ち葉が詰まった状態で、泥や水が溜まっているとしましょう。 冬の夜、気温が氷点下になると、その溜まった水や泥水はどうなるでしょうか? そう、カチカチに凍りつきます。 水は凍ると体積が増えて膨張します。雨どいの中で氷が膨らむことで、プラスチック製の雨どいがパキッと割れてしまったり、つなぎ目が外れてしまったりする「凍害(とうがい)」のリスクが高まるのです。

凍害による雨どいの破損

さらに、ここに「雪」が降ると事態は悪化します。 普段あまり雪が積もらない橿原市や大阪の東部エリアでも、数年に一度の大雪や、屋根から滑り落ちてくる雪の塊には注意が必要です。詰まって重くなった雨どいに、さらに雪の重みが加わることで、雨どいを支えている金具がぐにゃりと曲がったり、最悪の場合は雨どいごと地面に落下したりする事故も起きています。

年末の大掃除シーズン。室内の掃除も大切ですが、家の外側、特に屋根周りの見直しを行うには、ちょうどよいタイミングと言えるでしょう。ぜひチェックをしてください。

屋根の点検というと、プロが屋根に登って診断するというイメージがあるかもしれません。しかし、深刻なトラブルになる前の初期症状、いわゆる屋根の劣化サインは、一般の方でも地上から見るだけで感じ取ることができる場合もあります。晴れた日に、少し離れた場所からご自宅の屋根を見上げてみてください。

見た目の変化で気づく屋根の不調

まず注目していただきたいのは、屋根の「色」と「表面の雰囲気」です。
イメージしてみてください。 新築の時は、水を弾いてツヤツヤとしていた屋根。 それが今は、全体的に色が薄くなり、なんだか「白っぽく、カサカサ」に乾いたような質感に見えるようなことがないでしょうか。
あるいは、日当たりの悪い北側の屋根に、緑色や茶色の「藻(も)」や「コケ」が、まるでじゅうたんのようにベットリと付着していませんか?

これらは、屋根の表面を守っていた塗装(塗膜)が寿命を迎え、水を弾く力がなくなっている「防水切れ」の決定的な証拠です。 屋根材がカサカサに乾いて見えるのは、表面が劣化して粉を吹いている状態。
逆にコケが生えているのは、屋根材そのものが雨水をスポンジのように吸い込んでしまい、常に湿った「ジュクジュク」した状態になっていることを意味します。

色が褪せただけだから、まだ大丈夫ということではありません。水を吸った屋根材は非常にもろくなり、少しの衝撃で割れやすくなっています。これは、屋根の劣化サインの中でも最も分かりやすいSOSの一つです。

次に、屋根材の「形」に違和感がないかを見てみましょう。ここでは、代表的な屋根材である「スレート(コロニアル)」と「日本瓦」について解説します。

屋根の端っこや、板の縁(ふち)をよく見てください。 薄いクッキーやビスケットの端が欠けている時のように、パリパリと縁がギザギザになっていたり、ひび割れが入っていたりしませんか? これは、水を吸って膨らんだり、乾いて縮んだりを繰り返すうちに、素材が耐えきれなくなって割れてしまった状態です。

瓦がきれいに整列しておらず、一部が「波打っている」ように見えたり、瓦と瓦の間にある白い漆喰(しっくい)が崩れて、中の茶色い「土」が見えていたりしませんか? 漆喰がボロボロと崩れているのは、瓦を固定する力が弱まっている証拠。地震や台風の際に瓦が落下する危険性が高まっています。

最後に、トタン屋根や、屋根の頂上にある板金(棟板金)のチェックです。
金属部分から、茶色い涙を流したようなシミ跡が外壁に伝わっていませんか? あるいは、表面の塗装がポロポロと剥がれ落ち、赤茶色の「金属の地肌」がむき出しになっていませんか?

金属にとって、サビは寿命を縮める致命傷になりかねません。「まだ小さなサビだから大丈夫」というのは大きな間違いです。 表面にサビが見えている時点で、金属の厚みはかなり薄くなっており、いつ穴が開いてもおかしくない「穴が開く直前」の緊急サインです。特に酸性雨の影響を受ける現代では、サビの進行スピードは皆様が想像するよりもずっと早いです。このサインを見つけたら、一刻も早い対処が必要です。

家の立地条件によってはこれらを肉眼で確認するのは難しいかもしれません。そんな時は、バードウォッチング用の双眼鏡や、スマートフォンのカメラのズーム機能を使うことで確認できる場合もあります。決して屋根には登らず、地上から安全に確認する方法で行ってください。

ここまでご紹介した屋根の劣化サインですが、 「まあ、雨漏りしていないからまだいいか」と後回しにしてしまうお気持ちもよく分かります。
しかし、屋根修理職人としてあえて申し上げますと、目に見える不具合が出てからでは、修理費用が跳ね上がってしまうことがほとんどです。ここでは、少し経済的な視点でお話しします。

屋根の表面(瓦やスレート)の下には、「防水シート」があり、さらにその下には屋根を支える木の板である「野地板(のじいた)」があります。

屋根材のひび割れやズレを放置すると、雨水が防水シートへと浸透し、やがて野地板へと到達します。野地板は木材ですので、水分を含むと腐ってしまいます。 注意をしなければいけないのは、「野地板が腐っていても、室内にはすぐには雨漏りしない」という点です。天井にシミができて、「あ、雨漏りだ!」と気づいた時には、屋根の内部はすでにボロボロ・・・というケースがほとんどです。

勾配の緩い屋根に適さない金属屋根の横葺きで施工してしまい雨漏りが発生した事例


こうなると、屋根の表面を直すだけでは済まず、下地の木材からすべてやり直す大工事が必要になります。当然、費用も工期も倍以上になってしまいます。

野地板や防水シートに関してはこちらのコラム記事も参考にしてみてください。

屋根修理には、大きく分けて「部分修理」「カバー工法(重ね張り)」「葺き替え(ふきかえ)」の3段階があります。

屋根の劣化に気づいた初期段階であれば、数枚の差し替えや部分的な塗装、雨どいの清掃・交換といった「部分修理」で済むことが多く、費用も数万円〜数十万円で収まるケースが大半です。

しかし、放置して下地まで傷んでしまうと、数百万円規模の「全面葺き替え」しか選択肢がなくなってしまいます。 一般的に、築15年〜20年目が、この運命の分かれ道と言われています。
「まだ大丈夫」と思えるうちにプロの業者に点検してもらうこと。これこそが、長い目で見た時にメンテナンスコストを最小限に抑える、一番の節約術なのです。

屋根の修理方法と費用に関してはこちらのコラム記事も参考にしてみてください。

「落ち葉詰まりが原因になるなら、自分でハシゴをかけて掃除しよう」と思われた方。 ちょっと待ってください! 特に冬場の屋根メンテナンスをDIYで行うことは、プロの目から見て大変危険です。

屋根の上に登るのは絶対にNGですが、地上から安全にできる範囲であれば、こまめなケアをおすすめします。

  • 1階の雨どいや、ベランダの排水口
    脚立を使わずに手が届く範囲であれば、溜まった落ち葉やゴミを取り除いておきましょう。これだけでも、下層階の雨漏りリスクを減らせます。
1階の雨どいや、ベランダの排水口の清掃
  • 庭木のお手入れ
    屋根に覆いかぶさるように伸びた枝葉は、落ち葉の直接的な原因になります。ご自身で剪定(せんてい)できる範囲であれば、冬の間に整えておくと良いでしょう。
庭木のお手入れ

無理は禁物ですが、こうした手の届く範囲の清掃やメンテナンスが、結果的に家全体を守ることにつながります。

冬の朝、車のフロントガラスが凍っているのを見たことはありませんか? 同じ現象が、屋根の上でも起きています。朝露や霜が降りた屋根の表面は、スケートリンクのように滑りやすくなっています。一見乾いているように見えても、薄い氷の膜が張っていることもあります。

また、冬特有の強い北風も大変危険です。不安定なハシゴの上で作業中に突風が吹けば、バランスを崩して転落するリスクがあります。 屋根の上での作業は、私たち職人でも細心の注意を払う危険な場所です。「下から見るだけ」に留め、屋根の上には絶対に登らないでください。ご自身やご家族の安全が何よりも大切です。

「下から見るだけ」に留め、屋根の上には絶対に登らないでください。

屋根職人に雨どいの清掃や点検を依頼するメリットは、安全性だけではありません。 私たち専門家は、単に掃除をするだけでなく、「なぜそこに落ち葉が詰まりやすいのか?」という根本原因まで考えて調査します。

例えば、以下のようなケースがあります。

  • 雨どいの勾配(傾き)が、雪の重みや経年劣化で変わってしまい、水が流れにくくなっているケース
  • 屋根の板金がわずかに浮いていて、そこが風の通り道になり、落ち葉を吸い寄せているケース
  • 一般の方が見落としがちな「コーキング(隙間を埋めるゴム状の材)」の細かなひび割れ など

清掃と同時に、こうした機能的な不具合も見抜き、将来的な雨漏り 前兆を摘み取ることができるのが、プロに任せる最大のメリットです。

屋根職人だから気づける隠れた劣化

今回のコラムでは、「雨どいの落ち葉清掃の重要性」と「屋根の劣化サイン」についてお伝えしました。

トラブルを防ぐ予防策こそ最良の防御

年末の大掃除、窓拭きや庭掃除のついでに、ぜひ「雨どいの清掃・チェック」も掃除メニューに加えてみてください。 「自分では難しそうだな」「ちょっと高い場所で怖いな」と感じたら、そこから先は無理をせず、私たちプロにお任せください。
面倒な雨どいの掃除や屋根の点検をプロに任せて、不安のないすっきりとした屋根で、素晴らしい新年を迎えましょう!

素晴らしい新年を迎えましょう

屋根修理の匠ひおきは、奈良・三重・大阪、滋賀、和歌山など幅広いエリアで、お客様の屋根に関する不安解消をお手伝いします。雨どいの落ち葉清掃も対応させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。

日置 卓弥

屋根修理の匠ひおきの代表です。哲学で学んだ独特な視点を屋根修理の仕事に活かし、お客様の期待を超えるサービスを実現するために日々努力しています。

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