「神社の屋根のような青緑色に変わってきたけれど、このままで大丈夫?」「銅の雨どいから、雨の日にぽたぽたと水が落ちてくる」――。
結論から言うと、青緑色の正体は「緑青(ろくしょう)」と呼ばれる膜で、内側の銅を守っています。塗装で覆う必要は、基本的にありません。注意すべきは色ではなく、瓦屋根の谷や雨どいなど、雨水が一か所に集まる部分にできる小さな穴です。
この記事でわかること
- 銅板屋根と緑青のしくみ
- 雨漏り・穴あき(孔食)が起きやすい場所と原因
- 自分でできるチェックと、補修・交換の方法
- 塗装の必要性と、盗難への備え
1954年創業の板金・屋根工事店「屋根修理の匠ひおき」の板金職人が、現場の写真を使って解説します。
銅板屋根とは|緑青で守られる金属屋根
銅板屋根は、薄く延ばした銅の板で葺いた屋根です。銅はやわらかく加工しやすいため、曲面や複雑な形にもなじみ、寺社建築を中心に古くから用いられてきました。

住宅では、屋根全体を銅で葺く例は多くありません。瓦屋根の谷(屋根面と屋根面が交わるくぼみ)や軒先の一部、雨どいなど、要所に部分的に使われているのが一般的です。各部の名前は、屋根の名称一覧で写真とあわせて紹介しています。


緑青は銅を守る膜
銅は雨や空気に触れるうちに色を変え、長い年月をかけて緑青に覆われていきます。鉄の赤サビが内部へ進んでいくのに対し、緑青は表面に密着し、内側の銅を守る膜として働きます。
銅板屋根はどうやって雨を防ぐ?正しい納まりの3つのポイント
銅板は、それ自体が水を通しません。雨漏りを防げるかどうかは、継ぎ目の組み方と留め方、そして水の集まる部分の納め方にかかっています。
1. 継ぎ目は「はぜ」で組む
銅板どうしは、端を折り返して互いに噛み合わせる「はぜ」でつなぎます。小さな板を一枚ずつはぜで組んでいく「一文字葺き」は、端正な仕上がりになる半面、職人の手間と技術を要する葺き方です。

2. 留め付けは銅と相性のよい金物で
銅に鉄やアルミの釘・金物が直接触れると、相手側の金属が早く腐食します。これを電食(でんしょく)と呼びます。銅板には、銅や黄銅(しんちゅう)、銅と組み合わせても腐食が起きにくいとされるステンレスの金物を使うのが基本です。
3. 水の集まる部分は、傷みを見込んで納める
谷や雨どいは、屋根の中でも銅が減りやすい部分です。銅板を重ねて厚みを確保する、水の流れを妨げない形に納めるなど、施工の段階から傷みやすさを織り込んでおきます。
銅板屋根と瓦・ガルバリウム鋼板の違い
同じ「銅の屋根」でも、屋根全体を銅で葺いたものと、瓦屋根の谷や雨どいに使われた銅とでは、傷み方がまったく異なります。お住まいの銅がどちらに当たるかで、点検で見るべき場所も変わります。
現在の住宅の金属屋根は、鉄の板をめっきで覆ったガルバリウム鋼板やSGLが主流です。銅は母材そのものが銅のため、サビの出方も手入れの考え方も別物と考えてください。両者の違いは、ガルバリウム鋼板とSGLの違いで詳しく解説しています。
瓦屋根に銅を組み合わせた部分は、次に説明する穴あきが起きやすい場所でもあります。
銅板屋根の雨漏り・穴あき(孔食)の原因
銅板屋根の雨漏りで警戒したいのは、雨水が集まる部分にあく、針で突いたような小さな穴です。この現象を孔食(こうしょく)といいます。
1. 瓦屋根の谷に雨水が集中する
瓦屋根の谷に銅を使っている場合、両側の瓦から流れた雨水が、谷の同じ筋に集まります。そこを水が流れ続けるうちに表面の膜が失われ、銅が少しずつ薄くなって、やがて穴があくことがあります。
2. 銅の雨どいの底や落ち口
雨どいは、屋根から落ちる水を受け続ける部分です。水が当たり続ける落ち口の下や、水がたまりやすい底から傷みが進みます。

3. ほかの金属との接触(電食)
以前の補修で鉄の釘や金物が使われていると、銅と触れた部分で腐食が進むことがあります。過去にどんな材料で直したかも、点検で確かめておきたい点です。
4. 落ち葉やごみの詰まり
谷や雨どいに落ち葉や土がたまると、水はけが悪くなり、湿った状態が長く続きます。あふれた水が、思わぬところから建物に入り込むこともあります。
こんな症状は点検のサイン|自分でできるチェック
次のような症状は、地上や窓から確かめられます。屋根に上がるのは危険ですので、見える範囲だけで構いません。
| 見る場所 | こんな症状 | 考えられること |
|---|---|---|
| 雨どい | 雨の日に、途中から水が垂れる | 底や継ぎ目の穴あき |
| 谷の下の部屋 | 天井や壁にシミが出る | 谷の銅板の穴あき(ほかの原因の場合もあります) |
| 雨どい・谷 | 草が生えている、雨の日に水があふれる | 落ち葉や土の詰まり |
| 屋根・雨どい | 銅板や雨どいの一部が無くなっている | 盗難 |
銅板屋根の補修・交換の方法|塗装は必要?
緑青が表面を守っているため、銅板屋根の塗り替えは基本的に不要です。むしろ、強くこすったり高圧洗浄を強く当てたりして、緑青を傷めないことが長持ちにつながります。
穴があいた場合は、傷みの範囲に応じて直し方を選びます。
- 穴や傷みのある部分:その部分の銅板や雨どいを交換する
- 谷全体が傷んでいる:周囲の瓦をいったん外し、谷板金を入れ替える
補修テープによる処置は、本格的な修理までのつなぎと考えてください。交換した部分は当初こそ色が違って見えますが、年月とともに周囲の色へ近づいていきます。谷の入れ替えについては、谷板金とはもあわせてご覧ください。
板金職人が点検で確かめること
銅板屋根の点検で、屋根修理の匠ひおきの職人が確かめるのは次の点です。
- 谷・雨どいの穴の位置と数、銅の減り具合
- はぜ(継ぎ目)の開きや浮き
- 過去の補修に、鉄など相性のよくない金属が使われていないか
- 谷の下の野地板や、室内側の雨染み
- 銅板を外したときに見える下地の傷み(めくって初めて分かることもあります)
傷みのある箇所は写真に収め、どこがどう傷んでいるのかを職人が直接ご説明します。
費用が変わる要素と見積書で確かめたいこと
当社では、一律の金額は掲載していません。銅板の補修・交換にかかる費用は、主に次の要素で変わります。
- 傷んでいる範囲(穴の補修だけか、谷や雨どいの交換まで必要か)
- 銅で直すか、ほかの材料に替えるか
- 瓦を外す範囲と、下地の傷み具合
- 足場の要否、屋根の形や高さ
見積書では、「どこを」「どの材料で」「どの範囲まで」直すのかが、項目ごとに分けて書かれているかを確かめてください。当社では無料点検で状態を確かめたうえで、内訳の分かるお見積もりをお出しします。
銅板屋根についてよくあるご質問
Q. 銅板屋根の耐用年数はどのくらいですか?
一律の年数でお答えすることはできません。屋根全体を銅で葺いたものと、瓦屋根の谷や雨どいのように雨水が集まる部分の銅とでは、傷み方が大きく異なるためです。年数を目安にするより、点検で穴やはぜの開きがないかを確かめることをおすすめします。
Q. 銅の雨どいの穴は、補修テープで直せますか?
補修テープでふさげるのは一時的です。穴のあいた部分は、銅板や雨どいを交換して直します。
Q. 谷だけ・雨どいだけを交換できますか?
可能です。ただし谷を交換する場合は、周囲の瓦をいったん外して納め直す作業が加わります。
Q. 緑青は落としたほうがいいですか?
落とす必要はありません。緑青は銅を守る膜ですから、こすり落とせば、その守りを自ら取り除くことになります。
Q. 銅板屋根や銅の雨どいが盗まれることはありますか?
起きています。銅をはじめとする金属の盗難は各地で発生しており、奈良県警察も金属盗難への注意を呼びかけています。防犯カメラやセンサーライトの設置、建物まわりの見通しの確保といった対策が考えられます。被害に気づいたら警察に届け出たうえで、雨漏りにつながる前に応急処置と修理を行いましょう。住まいの保険で補償される場合もありますので、契約内容もご確認ください。
まとめ
- 銅板屋根の青緑色は「緑青」。銅を守る膜で、塗装は基本的に不要
- 緑青はこすり落とさない
- 注意すべきは、瓦屋根の谷や銅の雨どいなど、雨水が集まる部分の穴あき(孔食)
- 補修は、傷んだ部分の交換や谷の入れ替え。金物は銅と相性のよいものを使う
- 雨どいからの水漏れや天井のシミに気づいたら、早めの点検を
参考・出典
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銅板屋根・銅の雨どいのこと、まずは職人にご相談ください
「銅の雨どいに穴があいた」「谷の銅板から雨漏りしている」「緑青の状態が気になる」といった段階のご相談でも構いません。
屋根の写真をLINEで送っていただくだけでも、職人が直接お答えします。
- 写真をLINEで送るだけで相談できます:LINEで相談する
- お電話:0744-47-4265(10:00〜17:00)
- 無料点検:無料点検のお申し込み
1954年創業、親子三代の板金・屋根工事店として、奈良・三重を中心に大阪・京都・和歌山・滋賀・兵庫まで、点検・雨漏り修理・葺き替えのご相談を承ります。現地調査・お見積もりは無料です。
※遠方の場合は出張費をいただく場合がございます。詳しくはお問い合わせください。



