屋根葺き替えとは?メリット・時期・費用をわかりやすく解説


屋根は毎日、雨や風、強い日差しから暮らしを守ってくれる大切な存在です。しかし長年が経つと必ず傷みが進み、修理や交換が必要になります。

屋根葺き替えとは、古くなった屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材へと取り替える工事のことです。このとき防水シート(ルーフィング)も新しく張り直されるため、雨漏り防止など屋根の本来の機能が回復します。住まいを健全な状態に保つうえで欠かせないメンテナンスです。

この記事では、屋根葺き替えの基本から工事の流れ、判断の目安、費用やメリットまで、特に押さえておきたいポイントをわかりやすく解説します。

スーパーガルテクト

「葺き替え」とは文字通り、屋根をふき直す工事のこと。古い屋根材を撤去し、新しい屋根材に交換します。瓦、スレート、金属などどんな屋根材でも可能で、多くの場合は従来より軽い屋根材を使うため耐震性が向上します。

この工事では屋根材だけでなく、ルーフィング、防水シートも一新します。実は屋根リフォームの最大の目的は、このルーフィングを交換して雨漏りを防ぐことにあります。築20年以上の屋根ではルーフィングの劣化が進んでいるため、葺き替えかカバー工法でしか防水性能を根本的に取り戻すことはできません。

つまり葺き替えは、屋根の寿命を延ばし住宅を長持ちさせるための大規模なメンテナンスと言えます。

雨漏りを根本から解消し、防水性能を回復させることは屋根葺き替え工事の最大の目的です。屋根材がどれほど美しくても、その下に敷かれている防水シート(ルーフィング)が劣化していれば、雨水は簡単に建物内部へ侵入してしまいます。放置すれば天井や壁にシミが広がるだけでなく、木材の腐食や断熱材のカビ発生につながり、家全体の耐久性を損ないます。

葺き替え工事では古い屋根材を撤去し、新しい屋根材とともに防水シートも一新するため、雨水の侵入経路を根本から断ち切ることができます。その結果、雨漏りの不安を解消し、屋根本来の防水性能を取り戻すことが可能です。長期的に見れば、住宅内部の劣化や大規模修繕のリスクを大幅に減らし、安心して暮らせる住環境を実現します。

屋根を葺き替えることで、住まいの安全性と耐久性は大きく向上します。長年使用した屋根材は経年劣化により固定力が弱まり、強風で飛散したり、地震で瓦が落下したりする危険があります。これは建物だけでなく、周囲の人や財産にも被害を及ぼす重大なリスクです。

葺き替え工事では劣化した屋根材を新しく交換するため、屋根の固定力が回復し、風災や地震への備えが強化されます。特に重量のある瓦屋根を軽量な金属屋根に替えると、建物全体の重心が下がり耐震性が向上します。屋根材が軽くなることで地震時の揺れの負担が減り、住宅全体の倒壊リスクを軽減できるのです。

つまり、葺き替えは「屋根が新しくなる」だけでなく、暮らしを守るための耐久性を取り戻し、自然災害に強い住まいへと進化させる工事だといえます。

屋根の葺き替えは、住まいの快適性を大きく引き上げる効果があります。近年の屋根材は断熱性や遮音性に優れたものが多く、夏は屋根からの熱気を遮り、冬は室内の暖気を逃しにくくします。そのため冷暖房効率が高まり、光熱費の削減にもつながります。さらに、雨音や外部からの騒音を軽減し、静かで落ち着いた住環境を実現できます。

また、新しい屋根材に替えることで外観の印象も一新されます。色あせや汚れが目立っていた屋根が生まれ変わると、住宅全体が明るく清潔感のある雰囲気になり、街並みの中でも映える存在となります。

つまり葺き替えは、屋根の機能を取り戻すだけでなく、日々の暮らしをより快適に、そして住まいをより美しく整えるための大きな一歩となります。

耐震工事


屋根の不調や老朽化は、いくつかのサイン(兆候)として現れます。次のような症状に心当たりがあれば、
葺き替えや修理を検討するタイミングかもしれません。

天井や壁にシミが現れたり、雨の日に水滴が落ちてきたりするのは、屋根からの雨漏りが始まっている深刻なサインです。表面に見えるシミは、すでに屋根の防水層を雨水が突破し、下地材や断熱材にまで浸透している可能性を示しています。放置すれば木材の腐食やカビの発生につながり、室内環境の悪化だけでなく、建物全体の耐久性を損なう危険があります。

雨漏りは部分的な補修で一時的に収まることもありますが、多くの場合は屋根内部の防水シートが寿命を迎えているため、根本的な解決には葺き替えやカバー工法といった大規模なメンテナンスが必要になります。早い段階で専門業者に相談し、的確な点検と対応を行うことが、被害の拡大を防ぐ最善の方法です。

天井から雨漏り

屋根材そのものの劣化兆候も見逃せません。たとえば瓦屋根なら瓦のひび割れやズレ、金属屋根ならサビの発生や塗装の剥がれ、スレート屋根(コロニアル)なら反り返りや表面の剥がれが典型です 。

こうした症状が部分的でも出ている場合、他の箇所でも進行している可能性があります。また屋根材の色あせや縁の浮きも初期劣化のサインです 。小さなひびや欠けも、放っておくと雨水が染み込んで下地を傷め、大きな問題に発展しかねません 。

お住まいの築年数も重要な目安です。一般に屋根は材質にもよりますが20年前後でメンテナンスが必要と言われます 。とくに築20年以上経つ屋根は防水シートの寿命(耐用年数は約20年)を迎えている可能性が高く、見た目に異常がなくても内部が劣化していることがあります。見える不具合がなくても、一度専門業者に点検を依頼することをおすすめします

屋根を遠目に見て一部が沈んで見える、屋根裏から踏むとミシミシ音がする、
といった場合は下地の木材(野地板や垂木)が腐食しているかもしれません。葺き替え工事なら屋根
下地まで補修できるので、早めに検討しましょう。

軒天のカビ

屋根表面にコケや藻がびっしり生えている場合、屋根材の防水性能が低下し水分が留まりやすくなっているサインです。とくにスレート系は表面塗装が劣化すると苔が生えやすいので定期的な再塗装か葺き替えを検討しましょう。


こうした劣化サインを早期に発見し、適切なタイミングで対処することが肝心です 。早めの修理・葺き替えは結果的に大きな出費や被害の拡大を防ぎます。

アイジー工業「スーパーガルテクト」

ガルバリウム鋼板に代表される金属屋根は、耐久性とコストパフォーマンスの両面で優れた特徴を持っています。

一般的なスレート屋根が20年前後で改修を必要とするのに対し、ガルバリウム鋼板は25〜30年の耐久性が期待でき、適切なメンテナンスを行えば40年以上使用できるケースもあります。さらに、既存の屋根を撤去せずに新しい屋根を重ねる「カバー工法」を採用すれば、撤去処分費を抑えつつ工期も短縮でき、廃材が少ないため環境面でも優れた工法となります。

また、ガルバリウム鋼板は苔やカビが発生しにくく、日常のメンテナンスも容易です。色あせが見られても再塗装を施すことで防錆効果を維持できるため、長期間にわたって美観と機能を保つことが可能です。

こうした点から、長い目で見れば再リフォームや修繕の回数を減らせ、ライフサイクル全体での費用対効果が非常に高い屋根材だと言えます。

金属屋根はコストパフォーマンスに優れている
カバー工法で屋根をリフォームする際のメリット・デメリットと施工のポイント

さらに、施工方法によっては工事金額を抑えられます。「カバー工法」を用いる場合、既存屋根の撤去処分費が不要になるため、その分の費用を抑制できます。廃材が少なく環境面にも優しい工法で、工期短縮による人件費圧縮と合わせて経済的です。

もちろん建物の状況によって適用できるかは要確認ですが、適切な方法を選ぶことで予算内で最大の効果を得ることができます。

日頃のメンテナンスも比較的容易なのも利点です。金属屋根は苔(コケ)やカビが発生しにくく、表面の汚れも雨水で流れ落ちやすいため、美観を長く保てます。数年に一度程度、専門業者による点検を受け、塗膜の劣化やビスの緩みがないか確認することで、より長期間にわたり性能を維持できます。

リフォームの工期が短縮

仮に塗装が色あせてきても再塗装によって防錆効果を持続できます。大掛かりな修理の発生率が低いのも安心ですが、万が一の修繕も金属板を張り替えるだけで対応可能です。

屋根工事の費用は、工法や屋根の大きさ、勾配、使用する屋根材の種類によって大きく変わります。一般的な相場は次のとおりです。

葺き替え工事の場合は150〜250万円前後が目安です。古い屋根材を撤去し処分する工程があるため、廃材処分費や人件費が加算され、カバー工法よりも高額になる傾向があります。屋根面積が大きい、または勾配が急で足場を多く組む必要がある場合は、さらに費用が上がるケースもあります。

一方、カバー工法は80〜150万円前後が相場で、既存屋根を撤去せずそのまま覆う工法のため、廃材処分費がかからず比較的安価に施工できます。工期も短縮でき、通常3〜5日程度で完了します。葺き替え工事では7〜10日程度が一般的で、天候や建物の状態によってはさらに日数が延びることもあります。

また、屋根材のグレードによっても費用は変動します。たとえば金属屋根でも、一般的なガルバリウム鋼板に比べ、断熱材一体型の「スーパーガルテクト」や、より耐久性の高いSGL鋼板を選ぶと価格は上がります。その分、断熱効果やメンテナンス性、耐用年数が向上するため、長期的なコスト削減につながります。

工事中は基本的に住みながらの施工が可能です。屋根の工事は外部作業が中心で、室内での生活に大きな支障はありません。ただし葺き替えの場合、既存屋根の撤去時には一時的に騒音や振動が発生するため、事前に家族や近隣への説明をしておくと安心です。

屋根工事は「工事が終わればおしまい」ではありません。むしろ本当に大切なのは、工事完了後にどれだけ安心して暮らせるかという点です。そのため、施工業者がどのような保証やアフターフォロー体制を整えているかを確認することが重要です。

屋根材メーカーの多くは、製品そのものに10〜20年の長期保証を付けています。たとえばガルバリウム鋼板であれば塗膜や赤サビに対して10〜20年の保証が一般的で、高耐久タイプの屋根材ならさらに長期の保証が設定されている場合もあります。ただし、この保証はあくまで「材料」に対するもの。施工不良による雨漏りや不具合は対象外になるため、施工業者が独自に工事保証を用意しているかが大きなポイントです。

信頼できる業者は、工事完了後に防水や施工精度に対する保証を10年程度設けていることが多く、さらに定期点検(1年・5年・10年など)を無償または低価格で実施しています。点検では、屋根材の浮きやビスの緩み、塗膜の劣化などをチェックし、必要があれば早めに補修を行うことで大きなトラブルを未然に防ぎます。

アフターフォローがしっかりしているかどうかは、業者選びの最重要ポイントの一つです。保証がない場合、雨漏りなどの不具合が発生しても追加費用を請求される可能性があり、結果的に高額な出費になるケースもあります。

当社「屋根修理の匠ひおき」では、金属屋根専門の板金職人が責任施工を行い、工事保証と定期点検を通じてお客様の住まいを長期にわたり見守ります。施工後も「工事して終わり」ではなく、「工事後からが本当のお付き合い」という姿勢でアフターフォローを徹底しています。

屋根リフォームを検討するとき、多くの方が迷うのが「どの業者に依頼すれば安心なのか」という点です。屋根工事は専門性が高く、見えにくい部分の作業も多いため、業者選びで大きな差が出ます。信頼できる業者を見極めるためのポイントを整理します。

まず確認したいのは施工体制です。下請け業者に丸投げする会社よりも、自社施工を行っている会社の方が中間マージンが発生せず、工事内容と価格の透明性が高まります。職人の技術レベルが直接反映されるため、仕上がりの質にも差が出ます。

次に大切なのが保証とアフターサービスです。工事後に発生する不具合にどのように対応してくれるのか、保証年数や定期点検の有無を必ず確認しましょう。保証内容が曖昧な業者は避けるべきです。

また、施工実績や公開姿勢も重要です。実際に施工した現場写真や事例を積極的に公開している業者は、自社の工事品質に自信を持っている証拠です。口頭での説明だけでなく、施工過程や仕上がりを写真で提示してくれる会社は安心感が違います。

さらに、提案力もチェックポイントです。屋根の状態に応じて「塗装で延命できるか」「カバー工法か葺き替えか」など複数の選択肢を示してくれる業者は、お客様本位で提案している証拠です。一方的に高額な工事だけを勧める業者には注意が必要です。

当社「屋根修理の匠ひおき」は、金属屋根専門の板金職人による完全自社施工を徹底し、保証・アフターサービスも明確にしています。施工写真や実績を公開し、現場ごとに最適なプランをご提案いたします。安心してご相談いただける体制を整えています。


古くなった屋根を放置していると、雨漏りなど思わぬトラブルに発展しかねません。また、瓦の落下や屋根材の飛散は台風や地震時に大きな危険となります。屋根リフォームを検討中の方は、早めに専門業者へ相談し、現在の屋根の状態を点検してもらうことをおすすめします。

金属屋根へのリフォームは、耐久性・防水性に優れた雨漏り対策となるだけでなく、住宅の寿命を延ばし、安心できる住環境を実現する有効な手段です。

当社でも屋根の無料点検やお見積もりのご相談を随時承っております。ガルバリウム鋼板をはじめ、最適な屋根リフォームプランをご提案させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。

当社は金属屋根専門の板金職人が施工する会社です。
ガルバリウム鋼板屋根(金属屋根)についてのご相談は「屋根修理の匠ひおき」までお気軽にご相談ください。

日置 卓弥

屋根修理の匠ひおきの代表です。哲学で学んだ独特な視点を屋根修理の仕事に活かし、お客様の期待を超えるサービスを実現するために日々努力しています。

親子三代続く板金職人による高品質な工事をリーズナブルな価格で

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