三重県多気郡|築百年の古民家を守る屋根のリフォーム
【施工地域】三重県多気郡多気町
【築年数】100年以上
【施工箇所】屋根 雨どい
【使用材料】ガルバリウム鋼版(SGL鋼板)
【施工期間】約5週間
軽くて強い屋根へ
今回は、三重県多気郡にて、築100年以上の日本家屋の瓦屋根を全面改修し、現代の高性能金属屋根「スーパーガルテクト」へと葺き替えた施工事例をご紹介します。
古き良き佇まいを保ちつつ、機能性と安全性を高めた“今どきの屋根リフォーム”の全てを余すことなくお伝えします。
古民家、屋根の状態
今回ご依頼をいただいたのは、三重県多気郡の田園地帯に建つ、立派な古民家。
深い軒、堂々とした構造、手入れの行き届いた木部と、外観からは築100年以上とは思えない趣のある佇まいが印象的です。
屋根に上がってみると、随所に「時間の積み重ね」が見えてきます。
棟瓦には歪みが生じ、平部の瓦も浮きやズレが目立っていました。
雨水が侵入している可能性も高く、放置すれば屋根下地や構造材にも影響を及ぼしかねません。
「地震に強い」
日本の瓦は重厚で美しい反面、その重量が建物に大きな負担をかけます。
地震が多い日本においては、「屋根の軽量化=耐震性の向上」に直結します。
今回は、お施主様と打ち合わせを重ねた結果、重さのある瓦屋根をすべて撤去し、
断熱性能と耐久性に優れた「スーパーガルテクト」による板金屋根へリフォームを実施することとなりました。
【工程Ⅰ】解体作業|瓦の下に隠れていた“赤土”
まずは既存の瓦をすべて取り除く作業から始まります。
その下から現れたのは、大量の赤土です。
これは、かつて日本の住宅で主流だった「土葺き工法」で、瓦の固定、断熱、調湿などの機能を担っていました。
しかし、長年風雨にさらされた屋根土は乾燥・硬化しており、断熱や耐水といった性能はすでに失われている状態です。
撤去された赤土は最終的に数百kgにのぼり、それだけ屋根が建物に負担をかけていたことが分かります。
今回の葺き替えでは、この「重さ」からの解放は重要な目的です。
この赤土をすべて撤去することで、構造を軽量化し、次の工程へと進みます。
【工程Ⅱ】野地板の補強|12mm構造用合板で屋根を強化
屋根土を撤去した後、既存の野地板の上から全面に12mmの構造用合板を上張りする方法を採用しました。
「上張り工法」は、既存の野地板の上に新たな耐力面材を重ねることで、屋根全体の構造的な剛性を向上させる施工方法です。
瓦のような重たい屋根材を使用しない場合でも、台風や積雪などの自然災害に耐えるための下地づくりは非常に重要です。
屋根材の固定力が向上し、強風や地震による屋根材の剥がれや飛散を防ぎます。
また、耐久性のある改質アスファルトルーフィングを全面に敷設することで、屋根材の下で雨水が万一侵入しても、しっかりと防水できます。
【工程Ⅲ】スーパーガルテクトで「軽さ」と「強さ」を両立
いよいよ本葺きの工程です。
今回採用したのは、アイジー工業の「スーパーガルテクト」。
この屋根材は、断熱材一体型のガルバリウム鋼板で、耐久性・遮熱性・断熱性に優れながら、瓦の約1/10という軽さを誇ります。
選んだ色は「シェイドチャコール」。モダンな中にも落ち着きがあり、古民家の木の質感とも美しく調和します。
屋根が変われば、家も変わる。見た目以上の“安心”
施工完了後の屋根は、見た目にもしっかりとした存在感がありつつ、スッキリと洗練された印象に。
重たかった屋根が軽くなったことで、家全体の重心も下がり、耐震性が大きく向上しました。
断熱材一体型の屋根材によって冷暖房効率が高まり、省エネ効果も期待できます。
【まとめ】古民家リフォームと金属屋根の“最適解”とは
今回の施工で得た教訓は、「古民家こそ、現代技術で守るべき価値がある」ということ。
スーパーガルテクトによる葺き替えは、外観の雰囲気を損なわず、構造を強化し、断熱・防水・耐震性を向上させる最良の手段の一つです。
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