金属屋根の葺き方は「縦葺き(たてぶき)」と「横葺き(よこぶき)」の2種類に分かれます。
縦葺きと横葺きの違いとしては、金属板を縦にはるか、横にはるかの違いが挙げられます。
どちらも釘やビスが見えない構造になっており水が入りにくいように設計されています。
縦葺き屋根とは?
縦葺き屋根は、屋根の傾斜に沿って縦方向に金属板を配置する方式です。
縦葺きは「立平(たてひら)」や「竪ハゼ葺き(たてはぜぶき)」とも呼ばれます。
縦葺きは一枚の金属板の幅は33cmが一般的となります。
屋根の頂点から底辺まで一枚の金属板を用いるため、漏水リスクがかなり抑えられます。
耐候性のあるガルバリウム鋼板の登場により、超耐久性かつ軽量という観点から新築住宅でのシェアが圧倒的に伸びています。
縦葺き屋根のメリットとデメリット
[メリット]雨漏りしにくい
長尺の屋根材を使用することで基本的に継ぎ目がなく、雨水漏れのリスクがほとんどない。
[デメリット]複雑な屋根形状に不向き
屋根の面数が多いと施工が難しい。
[デメリット]見た目の意匠性を求めにくい
瓦屋根のような重厚感に欠ける。
横葺き屋根とは?
横葺き屋根は、屋根の傾斜方向に対して水平に金属板を施工するスタイルです。
横葺きは、約20cmが一枚の働き幅になります。
特に住宅密集地では、屋根の形状が複雑な場合に適しています。
ガルバリウム鋼板を用いた横葺き屋根はリフォームで人気です。
横葺き屋根のメリットとデメリット
[メリット]断熱材一体型の製品がある
横葺材には断熱材が裏地にはじめから付いている製品が多い。
そのため屋根に断熱性能を取り入れる場合は最適。※縦葺き屋根にも断熱材の取付けは可能。
[メリット]多様な屋根形状に対応
複雑な屋根形状でも施工可能。
[デメリット]コスト面
縦葺き材より費用が若干高い。
緩勾配屋根への適用についての注意
緩勾配の屋根に横葺き屋根を施工する場合、雨漏りのリスクがあります。
横葺きは2.5寸以上の屋根勾配に適します。勾配が緩い場合は「縦葺き」屋根が適切です。
[まとめ]
どのタイプが適しているか?
屋根の形状、予算、断熱性や遮音性の要求、工期などの要因を総合的に考慮し選択する必要があります。
緩勾配の屋根は縦葺き屋根が適している場合が多いですが、一方断熱性や遮音性を重視する場合や複雑な屋根形状の場合は横葺き屋根が良い選択となるでしょう。
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