はじめに
奈良県桜井市では、新婚世帯が桜井市で新しい生活をスタートするための経済的支援として「結婚新生活支援補助金」という制度を提供しています。この補助金は、若い夫婦の移住を促進し、少子化対策にも貢献することを目的として、住宅取得やリフォーム、引っ越しなどにかかる費用を支援しています。特に、中古住宅の購入をして、自分好みの住まいにリフォームを検討されている方にとって、この補助金は非常に有効です。 結婚新生活支援補助金は全国的に実施されている自治体が多く、各自治体により条件や補助金額が異なります。
以前、奈良県橿原市の結婚新生活支援補助金について詳しく説明させていただきました。
今回は奈良県桜井市の結婚新生活支援補助金の概要とともに、中古住宅リフォームへの活用ついて詳しく説明していきます。
奈良県桜井市 結婚新生活支援補助金とは?
桜井市結婚新生活支援補助金は、結婚を機に桜井市で新生活を始める新婚世帯を経済的にサポートするための制度です。住宅の購入やリフォーム、引っ越しにかかる費用の一部を補助することで、住まいに関わる初期費用の負担を軽減し、少子化対策や地域の定住促進を図ることを目的としています。
補助対象者
補助対象者として、年齢や所得など細かく条件が設定されていて、以下の全ての条件を満たしている必要があります。
- 令和6年1月1日から令和7年3月31日までに婚姻届を提出し、受理されていること。
- 新婚世帯の双方又は一方が奈良県外からの定住を目的として新住宅に居住することに伴い転入をする者で、当該転入日から起算して1年前までに奈良県内の住民基本台帳に記録されたことがないものであること。
- 婚姻日における新婚世帯の年齢がいずれも39歳以下であること。
- 新婚世帯の所得額が500万円未満であること。ただし、貸与型奨学金の返済がある場合は、所得から当該貸与型奨学金の年間返済額を控除した額が500万円未満であること。
- 本市における居住が転勤、就学等に伴う一時的な居住でなく、申請日から起算して5年以上居住する意思があること。
- 補助金を申請する日における新婚世帯の住民基本台帳に記録された住所が、新住宅の住所と同一であること。
- 新婚世帯の双方が日本国籍又は永住者若しくは特別永住者のいずれかの在留資格を有していること。
- 新婚世帯の双方が住民税を滞納していないこと。
- 新婚世帯の双方が生活保護法の規定による保護を受けている者でないこと。
- 新婚世帯の双方が暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に規定する暴力団員でないこと。
- 新婚世帯の双方が桜井市移住支援金及びこの補助金の交付を受けたことがないこと。
新婚の夫婦に対して新生活を支援する補助金となりますので、結婚をした期間が令和6年度(2024年度)であること、夫婦共に39歳以下であること、夫婦共あるいはどちらかが奈良県外からの転入となること、夫婦の所得の合算が500万円未満であることなど、条件は限定的となりますが、条件に当てはまる新婚夫婦にとってはぜひ活用すべき補助金となっています。
補助金額
補助金の上限は30万円で、住宅取得やリフォーム、引っ越しなどにかかった費用が対象となります。
ただし、夫婦ともに年齢が29歳以下の場合は上限60万円となりますので、若い新婚夫婦の方々には大きな助成額です。
同じ奈良県でも、橿原市の場合は29歳以下であっても補助金の上限は30万円で、自治体により条件が変わりますのでご注意ください。
補助金の対象となる費用
この補助金は、以下のような費用に対して支給されます。
- 住宅賃借費用
賃貸物件に住む場合の賃料や敷金、礼金、仲介手数料、共益費なども補助対象となります。 - 住宅取得費用
新婚夫婦が新しい住宅を購入する際にかかる費用の一部を補助します。 - 住宅リフォーム費用
中古住宅の購入や現在住んでいる住宅を改修する際の費用も補助の対象です。耐震補強や断熱改修、老朽化した部分の修繕などが含まれます。 - 引越費用
新居に引っ越す際にかかる引越業者や運送業者への支払い費用が対象となります。
補助対象 | 対象外 | |
住宅取得費 |
住宅の購入費、新築工事費 |
土地の購入費、住宅ローン手数料 |
住宅リフォーム費 |
修繕工事費、増築工事費、改築工事費、設備更新工事費、その他住宅の機能の維持又は向上を図るために行う工事費 |
倉庫及び車庫に係る工事費、門、フェンス、植栽等の外構に係る工事費、エアコン、洗濯機等の家電購入費又は設置費 |
住宅賃借費 | 賃料、敷金、礼金、共益費、仲介手数料 | 駐車場代、物件の清掃代、更新手数料、光熱水費、設備購入費、火災保険料及び家財保険料 |
引越費用 |
引越業者、運送業者その他これらに類する事業者を利用して行った、引越しに伴う荷物の運送に要した費用 |
自らが引越しを行うために使用する自動車の賃借料、燃料代等、引越しに協力した者への報償等、引越しに伴って発生する不用品の処分費 |
申請期間
令和6年5月7日~令和7年3月31日まで
※予算がなくなり次第終了
(2024年10月時点では受付中)
奈良県桜井市|令和6年度 桜井市結婚新生活支援補助金のお知らせ
問い合わせ先
奈良県桜井市|こども家庭部 こども政策課 こども政策係
電話:0744-42-9111(内線4*1)
桜井市の住みやすい環境と魅力
桜井市は奈良県の中央部に位置し、豊かな自然と歴史的な文化資産に囲まれた魅力的な地域です。古代の遺跡や神社仏閣が点在する地域でありながら、都市機能も充実していて非常に住みやすい街です。
豊かな自然と歴史的景観
桜井市は、自然と歴史が調和した地域で、美しい風景が広がっています。桜井市を代表する三輪山は古代から信仰の対象として崇められてきました。市内には多くの神社仏閣があり、日本最古の神社のひとつである大神神社(おおみわじんじゃ)や、牡丹の名所として知られる長谷寺(はせでら)、大化の改新で有名な談山神社(たんざんじんじゃ)などがあり、これらの歴史的建造物は桜井市の歴史と文化を象徴しています。
このような自然環境と歴史的な建造物は、日々の生活にリラックス感をもたらし、子育て世帯にも理想的な環境です。
便利な交通環境
交通の面では、近鉄大阪線とJR桜井線の両方が利用できるので非常に便利です。桜井駅からは、大阪上本町駅まで快速急行で約35分、難波までは約40分で到着します。京都方面へも、八木での乗り換えを活用し特急を利用すれば約50分でアクセスできるため、通勤・通学にも十分対応できる範囲です。
中古住宅は性能向上リフォームを最優先に
中古住宅のリフォームやリノベーションを行う際、予算の制約で全ての希望を叶えることが難しいことがあります。しかし、せっかく費用をかけてリフォームを行うのですから、後悔のない選択をしたいものです。
物件の状態にもよりますが、多くの場合、優先すべきは快適な生活を確保するための性能向上リフォームです。
いざリフォームを行おうと思ったとき、見た目の多くの人が「あれもやりたい、これもやりたい」と希望が次々に出てくることでしょう。一方で、「何をすればいいのか分からない」と悩む方も少なくありません。どちらのケースであっても、物件の状態に応じて絶対に行うべきこと、可能なこと、予算の範囲で優先すべきことを考える必要があります。
まず第一に、中古住宅のリフォームでは住宅の性能を向上させることを優先することが大切です。住宅には車と同様に性能があり、快適さや安全性に大きな影響を与えます。性能が低い家では、血圧などの健康に悪影響を及ぼすことも報告されています。特に重要なのは、断熱性能、耐震性能です。
断熱性能を最優先に考えたリフォーム
リフォームで最も優先すべきなのは、断熱性能の向上です。見た目がどれだけおしゃれでも、家の中が寒くて健康に悪影響を及ぼすようでは意味がありません。国土交通省の調査でも、室温が安定している住宅では居住者の健康状態が改善されるという結果が確認されています。
2014~2018年まで国土交通省が「住宅内の室温の変化が居住者の健康に与える影響とは?」という調査を実施し、以下のような結果が公表されています。
1. 室温が年間を通じて安定している住宅では、居住者の血圧の季節差が顕著に小さい。
2. 居住者の血圧は、部屋間の温度差が大きく、床近傍の室温が低い住宅で有意に高い。
3. 断熱改修後に、居住者の起床時の最高血圧が有意に低下。
4. 室温が低い家では、コレステロール値が基準範囲を超える人、心電図の異常所見がある人が有意に多い。
5. 就寝前の室温が低い住宅ほど、過活動膀胱症状を有する人が有意に多い。 断熱改修後に就寝前居間室温が上昇した住宅では、過活動膀胱症状が有意に緩和。
6. 床近傍の室温が低い住宅では、様々な疾病・症状を有する人が有意に多い。
7. 断熱改修に伴う室温上昇によって暖房習慣が変化した住宅では、住宅内身体活動時間が有意に増加。
国土交通省|住宅内の室温の変化が居住者の健康に与える影響とは?調査結果から得られつつある「新たな知見」について報告します
~断熱改修等による居住者の健康への影響調査 中間報告(第3回)~
このように断熱改修によって室温が安定すると、居住者の血圧や健康状態が改善し、身体活動が増加するなどの効果があることが確認されています。断熱性能を高めることは、健康維持や生活の質の向上に直結するのです。
マンションについても同様で、「断熱工事は必要ない」と考えるのは間違いです。コンクリートは木材よりも熱を伝えやすいため、適切な断熱がなければ冬は寒く、夏は暑い環境になりがちです。特に築年数が経過したマンションでは断熱性能が低いため、注意が必要です。
命を守る中古住宅の耐震リフォーム
断熱性能の次に重要なのは、耐震性能の向上です。耐震性能は、地震から命や財産を守るために欠かせません。まずは耐震診断を行い、必要であれば耐震金物の取り付けや耐震補強を行いましょう。
中古住宅の築年数の目安
購入する中古戸建の目安としては、2000年6月以降に建築確認申請された木造住宅がおすすめです。それ以前に建てられた住宅は、現行の耐震基準に達していないことが多く、日本木造住宅耐震補強事業者協同組合の調査によれば、1981年6月の新耐震基準の実施から2000年6月に建築基準法が再改正されるまでの間に建てられた木造住宅の約8割が、震度6強で倒壊する可能性があることがわかりました。
耐震補強工事を行うことで安心して暮らせますが、築年数によっては補強費用が100万円~200万円程度かかることもあります。2000年以降に建てられた家であれば、必要な耐震性が既に確保されていることが多く、その分コストを抑えることができるでしょう。
耐震リフォームで重点的に補強すべき場所
基礎部分の補強
基礎は住宅全体を支える土台です。基礎部分が劣化していると、建物全体の強度が落ちてしまいます。特に、ひび割れや劣化が見られる場合は、基礎補強を行うことで、建物全体の耐震性能を高めることができます。
基礎部分の補強
壁の補強は、住宅の構造強度を向上させるために重要です。筋交いや耐力壁の設置によって、地震の揺れに対して建物が倒壊しにくくなります。近年では耐震補強部材メーカーが開発したより高性能な耐震補強部材や工法も利用されており、さらに高い耐震性を実現することが可能です。
劣化した木材の修復
木材が腐ったり、シロアリの被害を受けている場合、木材の強度が大きく低下し、耐震性が失われてしまいます。特にお風呂や洗面所などの水回りが多い北側の部分は劣化しやすいため注意が必要です。
また、床下に調湿炭を敷き詰めることで、木材の腐朽やシロアリ被害を予防する効果も期待できます。
屋根のリフォーム(軽量な金属屋根への交換)
耐震リフォームにおいて、屋根の重量を軽くすることも重要なポイントです。特に重い瓦屋根は、地震時に大きな負荷となり、建物全体の耐震性に影響を与えため、金属屋根へのリフォームが推奨されています。金属屋根は瓦屋根に比べて軽量で、地震時の揺れによる負荷を軽減することができます。また、金属屋根は耐久性や防火性にも優れており、長期的に見ても安心な屋根材です。
スレート屋根など瓦屋根以外の屋根も、劣化が激しい場合にはリフォームを検討しましょう。劣化した屋根は雨漏りのリスクが高くなります。屋根のリフォームを行うことで、雨漏りなどの被害を防ぎ、耐震への備えもすることで、安心して暮らすことができます。
まとめ
桜井市の結婚新生活支援補助金は、条件を満たす新婚夫婦にとって大きな経済的支援となります。さらに、中古住宅のリフォームを通じて快適で安全な住環境を整えることが可能です。桜井市の豊かな自然と歴史的な魅力も相まって、新生活をスタートさせるのに最適な場所と言えます。
地域の豊かな自然環境や歴史的な文化資産を活かしながら、安全で快適な住まいを手に入れることで、二人の新しい生活がより豊かで幸せなものとなるでしょう。
賢く補助金を活用し、桜井市で快適で経済的な新婚生活をスタートさせましょう。
[参考]
奈良県で桜井市の他に結婚新生活支援補助金を実施している市町村
奈良県では、桜井市と同様に「結婚新生活支援事業」として住宅リフォームや新生活のための補助金を実施している市町村が複数あります。この支援事業は桜井市同様、結婚を機に新生活をスタートする新婚世帯に対して、住宅の購入、リフォーム、賃貸の家賃、引っ越し費用などの経済的な支援を行うものです。
橿原市- 五條市
- 宇陀市
- 生駒郡平群町
- 生駒郡三郷町
- 磯城郡三宅町
- 高市郡高取町
- 吉野郡川上村
但し、支援内容や条件は自治体ごとに若干異なる場合があるため、各市町村の制度を事前に確認するようにしてください。
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