はじめに
2025年最新版として、当社の実際の見積書をもとに、費用の内訳や工事内容をわかりやすく解説しました。
「金属屋根※スーパーガルテクトで屋根をカバー工事すると、どのくらいの費用になるのか?」
「仮設足場や板金工事は、見積書のどこにどう反映されているのか?」
こうした疑問に応えるために、項目ごとの意味を丁寧に整理しました。足場設置からルーフィング、屋根本体工事、付帯する板金工事、資材搬入費まで、それぞれの役割と費用感を明確にしています。
単なる相場の話ではなく、実際の見積書を読み解きながら「どこにお金がかかるのか」「どこで品質差が出るのか」を理解できる構成です。

一目でわかる費用早見表(2025年相場)
まず、代表的な二つの工法「葺き替え」と「カバー工法」の費用感を比較しました。
工法 | ㎡あたりの相場単価 | 30坪(約100㎡)の総額目安 | 特徴 |
---|---|---|---|
葺き替え工事 | 10,000〜15,000円 | 約120万〜180万円 | 既存屋根を撤去し下地を補修。内部劣化まで対応でき、長期的に安心 |
カバー工法 | 8,000〜12,000円 | 約90万〜120万円 | 既存屋根の上に重ね葺き。廃材処分が少なく工期も短縮可能 |
※寄棟や入母屋は役物が増えるため割高になりやすく、急勾配や三階建て、狭小地などは搬入・人件費が上乗せ傾向があります。
屋根リフォームの費用は、数字だけを見ると「なぜこの金額になるの?」と疑問に思う方も多いでしょう。ここでは、その仕組みをできるだけわかりやすく解説します。
まず、工事方法の違いが大きなポイントです。カバー工法は既存の屋根を剥がさずに新しい屋根を重ねるため、撤去や廃材処分の費用がかかりません。そのぶん葺き替えより安く済みます。
一方で葺き替えは屋根をすべて撤去し、下地まで点検・補修できるので、内部の劣化や雨漏りの原因を根本から解決できます。長く安心して暮らしたいなら葺き替え、初期費用を抑えたいならカバー工法、と目的によって選び方が変わります。
金額の目安は、30坪(約100㎡)の屋根で葺き替えが120〜180万円、カバー工法が90〜120万円程度です。この差は、撤去・産廃費用や下地補修の有無が影響しています。
当社見積書のカバー工法の内訳
※実際の工事お見積書 抜粋

仮設足場工事
まず工事全体を安全に進めるため、仮設足場を設置いたします。
基本的に足場は作業中の安全確保や近隣への落下防止のために不可欠です。

当社では、だいたい一軒あたりの中央値は18万円前後(税別)の足場工事になります。
まれに家の敷地が広く、足場を組む面積が大きい場合は30万円を超えるケースもあります。
ルーフィング(防水シート)
この屋根工事の工程では、改質アスファルトルーフィング以上のグレードのものを全面に敷設します。
雨水の侵入を防ぐ大切な工程です。壁と屋根の間もきっちりと作業します。

ルーフィングの種類によって、平米単価は変わります。
グレードが良いものでも一軒あたり、約数万円の加算のみになります。
改質アスファルトルーフィング 税別800円から/㎡
屋根本体 スーパーガルテクト施工
次に屋根本体として、断熱性・耐久性に優れた金属屋根材「スーパーガルテクト」を施工いたします。
ガルバリウム鋼板を基材とし断熱材が一体型の、高耐久の屋根材です。

スーパーガルテクト本体 税別6800円/㎡ 留め具:ステンレス製ビス55mm打ちがおすすめ。
さらにグレードを上げる場合は「スーパーガルテクトフッ素」になります。色褪せがしにくくなります。
軒先 水切り
屋根の一番下端に取り付ける板金で、屋根材を伝って流れてきた雨水を雨樋へ正しく導く役割を持ちます。これがないと、屋根の端から外壁に雨水が回り込み、外壁や軒天を傷める原因になります。見積書にある「軒先水切り」は、屋根全体の防水性能を保つために欠かせません。
軒先水切り 税別2200円/㎡


棟板金 交換
屋根の頂点(棟)部分を覆う板金です。強風や雨水の影響を最も受けやすく、劣化すると雨漏りの原因になります。今回の工事では古い棟板金を撤去し、新しいものに交換します。
内部の貫板も樹脂製を使用しており、屋根の最重要部を長期間安心して使える状態に仕上げます。
棟板金交換 税別4800円から/m


ケラバ水切り
屋根の端(妻側、三角形の斜め部分)に取り付ける板金です。強風時に雨水が吹き込みやすい箇所をカバーし、屋根材の剥がれや雨漏りを防ぎます。特に金属屋根の場合、ケラバの仕上げが甘いと雨水が逆流するため、確実な施工が必要です。

ケラバ水切り 税別2200円/m
雨押さえ板金
外壁と屋根が取り合う部分に取り付ける板金です。壁際からの雨水侵入を防ぐストッパーの役割を果たします。ここは隙間が生じやすく、コーキングだけでは耐久性が不十分なため、板金でしっかりと押さえることが重要です。

雨押さえ板金 税別3500円/m
資材搬入費について
屋根材やルーフィング、板金部材などの資材を現場まで安全に運び入れるための費用です。特に屋根工事では材料が大型かつ重量物になるため、搬入にはトラックや人員を確保する必要があります。また、現場の立地条件によってはクレーンやリフトを使用する場合もあり、その際の費用も含まれます。単なる「配送費」ではなく、資材を確実に屋根の上まで運び上げ、工事を滞りなく進めるための準備コストです。

資材搬入費 税別30000円
管理諸経費について
現場を円滑に管理・運営するために必要な間接的な経費です。具体的には、現場監督による安全管理や工程調整、車両や工具の維持・燃料費、消耗品費、事務的な通信費などが含まれます。工事そのものの材料や施工費とは別に、安心・安全に作業を完了するために不可欠な費用です。当社は工事金額の一定割合5%で計上しております。

管理諸経費 税別 工事全体の5%
屋根カラーのバリエーション
スーパーガルテクトの屋根材には6種類の標準カラーがあります。どれもガルバリウム鋼板をベースにした高耐久塗装仕上げで、住まいの雰囲気や外壁との相性によって選べるようになっています。

スーパーガルテクト カラーバリエーション(全6色)
ブラック
最も人気のある定番色。落ち着いた黒で、外壁の色を選ばずシンプルかつモダンな印象を与えます。和風・洋風どちらにもマッチし、重厚感を演出できます。
ブラウン
温かみのある濃茶色。木目調やベージュ系の外壁との相性が良く、落ち着いたナチュラル感を出せます。和モダンや自然素材の住宅におすすめです。
ブルー
青みがかったグレー系で、さわやかでスタイリッシュな印象に仕上がります。明るめの外壁に合わせると清潔感が際立ち、洋風住宅との相性が抜群です。
モスグリーン
深みのある緑色で、自然に溶け込む色合いです。植栽や庭と調和しやすく、落ち着いた環境を演出できます。ナチュラル志向の住宅に人気があります。
チャコール
黒に近い濃いグレーで、シックで高級感のある仕上がりになります。ホワイト系やグレー系の外壁と組み合わせると、都会的でモダンな印象を与えます。
当社の保証とアフター
保証年数について
当社が採用しているスーパーガルテクトは、メーカーによる穴あき保証25年、塗膜の変色・剥離保証15年が付帯しています。
さらに当社独自の施工保証として、雨漏りに関しては10年間の工事保証をお付けしています。これは万一の施工不良に対して無償で対応するもので、工事完了後も安心して暮らしていただけます。
施工後のメンテナンス目安
金属屋根は耐久性が高いため頻繁なメンテナンスは不要ですが、定期的な点検は推奨されます。
・工事後5年ごとに目視点検(棟板金の浮きやシーリング劣化の確認)
・10年を目安に棟板金の再シーリング、部分補修
・15年〜20年後頃に再塗装やシーリング打ち替えを検討
このサイクルを守ることで、屋根本体の耐用年数を最大限に延ばすことができます。
まとめ
屋根リフォームの費用は、単に「相場はいくら」と数字だけで語れるものではありません。工法の違い(葺き替えかカバー工法か)、使う屋根材の性能、そして足場・板金工事・資材搬入費など付帯する項目まで含めて総合的に判断することが大切です。
今回の見積書解説では、実際の工事内訳を項目ごとに整理し、どこにどんな役割があるのかをお伝えしました。特に「ルーフィング」や「棟板金」など、一見すると小さな部材に思える部分が、実は屋根の寿命を大きく左右します。
当社で採用しているスーパーガルテクトは、メーカー保証に加えて自社の施工保証もあり、長期的に安心して暮らしていただける屋根材です。さらに、定期点検や適切なメンテナンスを行うことで、耐用年数を最大限に延ばすことができます。
この記事を通じて、見積書の内容や費用の仕組みをご理解いただき、「なぜこの金額になるのか」「どんな価値がある工事なのか」を納得していただければ幸いです。屋根リフォームは大きな投資ですが、正しく選べば長期にわたって住まいを守り続ける安心につながります。

当社は屋根工事専門の会社です。
屋根リフォームや補修についてのご相談は「屋根修理の匠ひおき」までお気軽にご相談ください。
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