奈良県橿原市のO様邸にて行った屋根カバー工法(スーパーガルテクトによる重ね葺き)の施工事例をご紹介します。「スレート屋根のひび割れが気になる」というご相談をいただき、既存の化粧スレート屋根を撤去せずに、その上から粘着式ルーフィングと軽量・高耐久の金属屋根材を重ね葺きしました。寄棟屋根の隅棟や壁際の雨仕舞いまで、板金職人が一貫して施工しています。現地調査から仕上げまでの流れを、施工写真とあわせて詳しくご紹介します。
工事概要|奈良県橿原市・化粧スレート屋根の屋根カバー工法
- 施工エリア:奈良県橿原市
- 建物:2階建て戸建住宅(寄棟屋根)
- 工事種別:屋根改修工事(屋根カバー工法・重ね葺き)
- 既存屋根:化粧スレート(カラーベスト)
- 使用屋根材:アイジー工業「スーパーガルテクト」(エスジーエル鋼板+断熱材一体型の金属屋根材/ワインレッド)
- 下葺き材:田島ルーフィング「タディスセルフ」(粘着層付き改質アスファルトルーフィング)
- 施工面積:屋根 約90㎡
- 主な施工内容:仮設足場(設置・解体・メッシュシート)/テレビアンテナ脱着/スーパーガルテクト葺き 約90㎡
- 工期:1週間
- 保証:屋根材メーカー保証(穴あき25年/赤さび20年/塗膜変褪色15年)
ご相談のきっかけ|「スレート屋根のひび割れが気になる」
現地調査でお伺いすると、屋根材(化粧スレート)そのものにも複数のひび割れが確認できました。
化粧スレートはセメントを主原料とした板状の屋根材で、防水性は表面の塗膜が担っています。塗膜が劣化すると素地が水を吸うようになり、吸水と乾燥をくり返すうちに反りやひび割れが進行します。ひび割れが増えると、その隙間から入り込んだ雨水が下葺き材(ルーフィング)に直接負担をかけ、やがて雨漏りにつながります。
今回は下地(野地板)に大きな傷みが見られなかったため、既存の屋根を撤去せずに上から新しい屋根材を重ねる屋根カバー工法をご提案しました。撤去・処分の費用がかからず、工期も短く、粉じんや廃材の発生も抑えられるのがカバー工法の利点です。
施工前|化粧スレート屋根




屋根カバー工法の流れ|下葺きから棟板金まで
1. 仮設足場の設置とテレビアンテナの一時撤去
安全に作業を進めるため、まず建物のまわりに仮設足場を組み、メッシュシートで養生します。屋根の上に立っていたテレビアンテナは施工の妨げになるため一度取り外し、工事の最後に復旧しました。
2. 粘着式ルーフィング(防水シート)の施工
屋根の防水性能を実際に担っているのは、屋根材の下に敷く下葺き材(ルーフィング)です。今回は田島ルーフィングの粘着層付き改質アスファルトルーフィング「タディスセルフ」を、既存の化粧スレートの上から施工しました。
タディスセルフは遅延粘着型で、貼り付けた直後は貼り直しができ、数時間かけて強い粘着力と防水性を発揮します。留め付け部からの水の浸入を抑えられるため、改修工事に適した下葺き材です。



3. スーパーガルテクトの葺き上げ
下葺きが終わったら、屋根本体であるアイジー工業「スーパーガルテクト」を軒先から棟に向かって葺き上げていきます。
スーパーガルテクトは、エスジーエル(超高耐久ガルバリウム鋼板・めっき付着量AZ150)と断熱材(ポリイソシアヌレートフォーム厚さ16mm)を一体化した横葺きの金属屋根材です。重量は約5kg/㎡と軽く、既存の屋根に重ねても建物への負担を抑えられます。
寄棟屋根は隅棟に向かって屋根材を斜めに切り合わせる必要があり、割り付けと加工の精度がそのまま仕上がりと雨仕舞いに表れます。


4. 棟の下地(貫板)の取り付け
棟板金を留めつけるための下地として、新しい貫板をビスで取り付けます。棟は屋根面が合わさる最も高い部分で、風圧を受けやすく雨水も集まりやすい場所です。下地が傷んだまま板金だけを交換しても釘が効かず、強風時の浮きや飛散につながります。



5. 棟板金・役物板金の施工
貫板の上から新しい棟板金をかぶせて固定します。隅棟が合流する頂部は既製品では納まらないため、板金を現場で加工し、隙間なく仕上げます。



6. 下屋・壁際の雨仕舞いとアンテナの復旧
下屋(1階の屋根)と外壁が取り合う部分には、壁際雨押さえ板金を施工しました。雨漏りが起こりやすいのは、屋根の平らな面ではなく、こうした取り合い部です。板金を壁側へ立ち上げ、雨水が屋根面に流れ落ちるよう納めます。



施工後|軽くて丈夫な金属屋根へ
ひび割れの目立っていた化粧スレート屋根が、落ち着いたワインレッド系の金属屋根に生まれ変わりました。防水性と耐久性が大きく向上し、屋根が二重になったことで断熱性の面でもメリットがあります。


屋根カバー工法(重ね葺き)のメリット
- 撤去・処分費がかからない:既存屋根を残すため、解体費と廃材の処分費を抑えられます。
- 工期が短い:撤去工程がない分、葺き替えより短い期間で仕上がります。
- 粉じん・廃材が出にくい:ご近隣への負担が少なく、アスベストを含む可能性のある古いスレートを飛散させずに済みます。
- 屋根が二重になる:断熱性・遮音性の向上が期待できます。
一方で、野地板や下地が雨漏りなどで傷んでいる場合はカバー工法は適さず、葺き替えが必要になります。また屋根の重量は既存屋根+新規屋根材の分だけ増えるため、軽量な金属屋根材を選ぶことが前提です。現地調査で下地の状態を確認したうえで、工法をご提案しています。
スーパーガルテクトを選ぶメリット
- さびに強い:エスジーエル(超高耐久ガルバリウム鋼板/めっき付着量AZ150)を使用しています。
- 断熱材一体型:屋根材の裏に断熱材(ポリイソシアヌレートフォーム 厚さ16mm)が一体化されています。
- 軽い:約5kg/㎡。粘土瓦と比べて大幅に軽く、カバー工法との相性が良い屋根材です。
- 長期のメーカー保証:穴あき25年/赤さび20年/塗膜変褪色15年(フッ素タイプは塗膜20年)。
- 色を選べる:全6色。今回はワインレッド系を採用しました。
よくあるご質問|化粧スレート屋根のカバー工法
Q. スレートのひび割れは、部分補修だけで直せませんか?
数枚のひび割れであれば、コーキング補修や差し替えで対応できる場合もあります。ただし今回のように屋根全体で塗膜が劣化し、複数箇所にひび割れが出ている場合は、補修をくり返してもいたちごっこになりがちです。屋根全体の防水性を回復させるカバー工法や葺き替えをご検討ください。
Q. カバー工法だと屋根が重くなりませんか?
既存屋根を残すため重量は増えますが、スーパーガルテクトは約5kg/㎡と非常に軽い屋根材です。既存の化粧スレートに重ねても、瓦屋根に比べればはるかに軽い状態に収まります。
Q. 金属屋根は雨音がうるさくないですか?
スーパーガルテクトは断熱材が一体になっており、この断熱材が雨音をやわらげる役割も果たします。加えてカバー工法では既存のスレート屋根がそのまま下に残るため、屋根が二重構造となり、音の面でも有利です。
Q. 工事中は家にいなくても大丈夫ですか?
屋根の工事は屋外での作業が中心のため、ご不在でも進められます。足場の設置・解体日や、電気を使わせていただくタイミングなど、事前にご相談のうえ進めております。
奈良県橿原市の屋根カバー工法・屋根リフォームは「屋根修理の匠ひおき」へ
「屋根修理の匠ひおき」は、創業72年、板金職人 親子三代で受け継いできた技術で、金属屋根・板金工事を専門に手がけています。営業スタッフを介さず、職人が現地調査からご提案・施工まで一貫して担当します。
対応エリアは奈良県・三重県・大阪府・京都府・和歌山県・滋賀県・兵庫県。橿原市はもちろん、周辺地域からのご依頼も多数いただいております。
「スレート屋根のひび割れが気になる」「そろそろ屋根の塗り替えかカバー工法か迷っている」「雨漏りしているかもしれない」といったお悩みがありましたら、無料点検をご利用ください。ドローンや実際に屋根に上がっての調査で現状をご確認いただき、写真つきのご報告と、必要な工事だけをまとめたお見積りをお出しします。


